全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・安齊勇馬(24)が、春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」覇者の宮原健斗(35)を迎えるV1戦(29日、後楽園ホール)に向けて闘志をみなぎらせた。

 12日のCC優勝決定戦(横浜)で斉藤ジュンを下し、5年ぶり2度目の優勝を果たした宮原から挑戦表明を受けて決まった一戦。安齊は「一挙手一投足に無駄があるようでない。学ぶものがあるし、尊敬できると思う」と警戒しつつも「防衛できても、完全に超えたとなるわけではないと思います。ただ、そういうのを抜きにして、今のエースの宮原健斗に勝ちたいんです」と続けた。

 今の王者には、CCを通じて得た自信がある。「『史上最弱の3冠王者』とまで言われて、それを払拭したいというのがありました。対戦相手だけじゃなくて、僕を認めていないファンとの戦いでもあったんです」と過酷なリーグ戦を振り返る。3月に中嶋勝彦を大逆転で破って史上最年少での戴冠を果たしたが、あっけない幕切れから賛否を呼んだからだ。

 結果は4勝3敗でブロック敗退となったが「自分の中では100点です。やれるだけのことはやったし、後悔がないので」と胸を張る。連日メインを任されたことで成長を実感。常にセミより前の公式戦に、試合内容で負けないことを意識していたという。

 象徴となったのが4月21日幕張大会だ。宮原vs青柳優馬という団体屈指の好カードをセミに追いやり、メインでパートナーの本田竜輝と戦った。敗れはしたが「内容としては2人で、セミといい戦いができた。って言うと何か青春みたいですけど、メインのプレッシャーをはね返せた。そういう自信が持てました」。エースを相手に進化を証明する。