多摩市はこのほど、認知症を題材とした落語付きの認知症サポーター養成講座を永山公民館ベルブホールで開催した。認知症に対する関心を高めてもらおうと市の職員が創作した落語で、当日はいつもの養成講座より約2倍の市民が訪れた。

65歳以上の5人に1人が認知症になると言われる今、市では認知症の人への接し方や共に生活していくポイントを学び寄り添う認知症サポーター養成講座を定期的に開いている。

そのような中、より多くの人に関心を持ってもらおうと、市健康福祉部高齢支援課では講座の前に落語を開くことを決めた。多摩地域で活動する多摩落語寝床の会に出演を依頼、紋雁亭柴奴さんは古典落語の「茗荷宿(みょうがやど)」を披露し、会場は笑いに包まれた。

市職員による創作落語「同窓会」は六弦亭弦六さんが演じた。落語仲間の同級生が、年を取ってから開いた同窓会で忘れっぽくなったことをユーモアを交えて語り合う内容になっている。職員がたたき台を作り、六弦亭さんと打ち合わせをしながらアレンジを加えるなどして完成させた。

市担当者は「認知症のテキストに書いてあることが基本になって落語のストーリーができた。講座ではロールプレイングやペアワークをしてもらうことがあり、そのやりとりが落語の演じ方にうまくあてはまった」と話した。

養成講座に関心も

当日はいつもの講座に比べて2倍ほどの来場者があった。市担当者は「認知症のことを知りたいのだろうなと思った。養成講座の出席も多く、関心の高さを感じた」と振り返った。

今回と同じ落語の催しは9月7日(土)にも関戸公民館で開催する予定。当日は養成講座と同講座を受けた人対象のステップアップ講座を実施する。