港北警察署(笠佳孝署長=人物風土記で紹介)では、近年増加している特殊詐欺被害の防止に尽力している。警察庁の統計では、2017年〜19年にかけて減少傾向を見せていた認知件数が、20年ごろを境に増加に転じている。架空料金請求詐欺、オレオレ詐欺、還付金詐欺などの手口が多く、金の受け渡し方法別に見ると振込、電子マネーの増加が顕著だ。

区内では、昨年1年間で84件、約1億6950万円の被害が確認されている。主な手口はオレオレ詐欺、還付金詐欺。そのほか、PCなどのインターネット閲覧画面に「ウイルスに感染した」と警告を表示し、修理を名目に電子マネーカードを購入させて金銭をだまし取る「サポート詐欺」も増えている。「誰でも特殊詐欺にあう可能性がある。常に心の準備をして生活を。不審な電話がかかってきたら必ず周りに相談して」と同署。啓発動画・ポスターなどによる注意喚起のほか、迷惑電話防止機能付電話機の設置を推進している。

一方で、昨年と今年の1月〜4月の期間で比較すると、発生件数は47件から16件に、被害額は9965万円から6611万円に大幅減少(5月13日時点)。これについて同署生活安全課の担当者は「コンビニに対するマネーカード購入の注意呼びかけなど、周知活動の効果では。とはいえ未遂も含め変わらず件数は多く、今後も注意してほしい」としている。

不審者に注意

今年3月・4月にかけて、公然わいせつ事案の発生が増加している。同署によると、昨年の同時期と比較しても多い傾向にあり、夜間帯に全裸や下半身を露出している男を目撃する内容が主だという。担当者は「夜間一人にならない、スマートフォンを操作しながらやイヤホンを装着したまま歩かない、年少者であれば防犯ブザーの使用などが対策になる」とし、「不審者に遭遇したらすぐに警察へ通報し、周りに助けを求めて」と呼びかけている。