仮に合格したとしても、進学した中学校で失敗してしまうこともあります。結局、子どもが心の底から「ここに行きたい!」と思わなければ、成績なんて上がりませんし、1時間勉強するよりも「ここに行きたい!」と思えるようなイベントを、1時間体感させてあげることのほうが、効果が出ることもあるのです。

だからこそ、勉強の時間を削ってでも、しっかりと「自分が行きたいと思えるように」手伝ってあげる必要があるのです。

行きたい理由がはっきりしていない場合は?

逆に「行きたい理由」ははっきりしていないけれど、勉強するのはそこまで苦ではなくて、「とりあえず親に言われたから」という理由で、勉強のスイッチ自体は入っている、というタイプの受験生もいます。

僕は、そういう子であっても、きちんと「行きたい理由」を引き出してあげる必要があると思います。

そういう子どもは、意外とその後のタイミングで息切れしてしまって、勉強をやめてしまうこともあります。

「行きたい理由」が明確でないと、受験勉強はうまくいかなくなってしまう場合があるというわけです。親の受験ではなく、本人の受験にする。これが中学受験の必勝法と言っても、過言ではないでしょう。ぜひ、子どもが中学受験をする場合は、「本人が行きたい理由」を一緒に考えてあげてください。

著者:西岡 壱誠