年始や期初に限らず、日頃から社寺(神社・お寺)を参拝する習慣のある人は、誠実性や勤勉性が高く、優秀で健康的なビジネスパーソンが多い。なぜそう言えるのか、神社を探求する社会心理学者の八木龍平氏に納得の理由を聞いた。

※本記事は八木龍平著『成功するビジネスパーソンは、なぜ忙しくても神社に行くのか?』の内容を一部抜粋したものです。

神仏は孤立を防ぎ、人と「つながる力」の基盤になる

社寺の存在には、人間一般への信頼を高め、人と協力的な関係を築く効果があります、と言うと驚かれるでしょうか?

「こんな人たちのために努力したくない」と思うと、人はやり抜く気になれません。せいぜい自分のために「クビにならない程度に」「最低限やる」くらいのやる気でしょうか。

ですから、会社に神社があろうと何があろうと、そもそも会社に人をやる気にさせる、協力的な風土をつくるのは大事なことです。

ただ、会社だけの問題ではなく、ある個人が人間不信だと、どんな組織にいようと「こんな人たちのために努力したくない」となります。

子供の頃から社寺で神仏になじむことは、人間信頼を育み、孤立を防ぎ、人と協力的につながる力の基盤になります。人間不信にならない仕組みが神仏にあるのです。

その根拠となるデータは、大阪大学社会経済研究所で、全国1万8235人を対象に、ソーシャルキャピタルと所得・幸福度・健康との関係を統計分析した論文です。ソーシャルキャピタルとは、人間関係を財産の一種と捉える考え方です。