2列目シートは、コットと同様にハイバックシートを採用 2列目シートは、コットと同様にハイバックシートを採用(筆者撮影)

2列目シートは、コットと同じハイバックシートを採用。背もたれを倒し、リアのベッドマットを敷けばフラットな就寝スペースとなるのも同様だ。また、室内後方の壁面には、走行中もバッグやポーチなどの荷物をしっかり固定できる「サイドモールシステム」を採用。

車体後方には、コンパクトなキッチンも備える 車体後方には、コンパクトなキッチンも備える(筆者撮影)

キッチンは、コットと異なり、室内最後尾の左側にコンパクトなタイプを装備する。ただし、吸音/遮音/制振材、熱反射シート、断熱シートを3段重ねにした独自の薄型シートを壁面内側などに採用する点は、コットと同じ。可能な限り室内を快適にする見えない工夫は、長年キャンピングカーを製造してきた同社のこだわりでもある。

電装系については、ポータブル電源の使用が前提となる。そのため、DC12Vのアクセサリーソケットの装備はあるものの、サブバッテリーは基本的に搭載していない。あくまで、シンプルな車中泊仕様車というのがこのモデルのコンセプトなため、装備については必要最低限に留めているのだ。そのぶん、価格(税込み)はコットよりも安く、標準装備車の場合で、ガソリン車2WDが409万2000円、ガソリン車4WDが437万4700円。停車時に日よけとなるサイドオーニングとルーフキャリア、FFシーターなどのオプションを装備した展示車の場合で594万5500円となっている。

タウンエースをベースに開発した背景

コットとホビクル タウンランダーの外観 コットとホビクル タウンランダーの外観(写真:レクビィ)

レクビィの担当者によれば、これらモデルは、「多くのユーザーからの要望に応えた」ものだという。そうしたユーザーたちは、「(ハイエース・ベースなどの)大型で本格的なキャンピングカーまではいらないが、軽自動車ベースでは、室内が狭いなどで物足りない」のだという。そこで、商用ライトバンのタウンエース バンに着目。外装をほぼ変えないタイプとすることで、通勤や買い物などの普段使いもできて、車中泊なども使いやすい装備を持つモデルを目指し、2023年の春頃から開発に着手した。

そして、今回、晴れて2モデルをショーで初披露。ところが、その直前に問題が発生した。先に述べたように、ベース車となるタウンエース バンが、OEM生産を担当するダイハツの認証不正問題により、2023年12月に出荷停止となったのだ。幸いにして、同じタウンエースのトラックタイプのように型式認定取り消しにはならなかったが、今回の展示会の時点では受注を受けても新車ではベース車両の供給は不確か。安全性の問題だけに、中古車ベースでも製作は難しいだろう。