東洋経済オンラインでは、上場企業で働く非正社員の実態を調査している。非正社員の多い企業に続いて、非正社員の依存度が高い企業トップ500を紹介したい。

データは全従業員に占める割合が1割を超えると有価証券報告書で開示が求められる、臨時従業員数から取得した。2023年1月〜2023年12月期の開示を基に集計した。非正社員が全体の従業員の90%以上を占める会社は10社(前回6社)、80%以上を占めるのは61社(前回56社)といずれも増加した。

働きやすさで人手確保に取り組む

100円ショップを展開するセリアが僅差で1位になった。セリアは100円ショップ業界で2位の規模を誇り、地盤の東海地方から関東など全国に出店を加速している。在庫管理や商品開発にITを活用して効率化を徹底し利益率が高いことでも知られる。アルバイト募集では、1日2時間だけや週に1日の勤務など、多様な働き方を認めている。店舗増に合わせて非正社員も増やしてきており、正社員は500人程度にとどまる一方で、1日8時間換算の平均人員で1万2045人の非正社員が働く。

2位は、ベネッセの傘下で個別学習塾を展開する東京個別指導学院。1万人を超える塾講師はアルバイトの大学生のため、非正社員比率が高い。柔軟な働き方を認めているのと、学生への個別指導を通じて成長ができることが魅力で、大学生からの人気は高い。

3位も個別指導塾のサクシードが入った。サクシードは、個別指導塾を軸にしながらも、学校教育向けの人材紹介や派遣、保育士の人材紹介・派遣なども手がける。個別指導教室で621人、学校教育向けの紹介・派遣事業でも307人の非正社員を雇用している。週1日90分から、あるいは得意な教科のみなど、柔軟な働き方でアルバイトの教師を募集している。

前回調査に比べて、非正社員の依存度が高まった企業が増えた。アフターコロナの需要拡大で人手不足となっていることが影響している。正社員も増加させる傾向にあるものの、需要増加に対応しやすい非正社員から順に増加した結果として、非正社員の比率も増加していることがうかがえる結果となった。