しかしなぜそれができない人が多いかというと、政治家や芸能人のような、ある種「人気」に支えられている人たちは、激烈な批判に耐え切れず、つい反論を我慢できなくなってしまうのです。

今回の宮澤氏については冒頭でも書いたように、あまりにも自らの恥部をさらけ出す姿に、私も「いたたまれない気持ち」を感じてしまいました。

「4WD不倫」俳優・原田龍二の復活劇

2019年にファンの女性との不倫が報じられた、俳優の原田龍二氏。抜群のルックスと体格を生かし、水戸黄門の助さん役などで活躍していたイケメン俳優がさらされた、ハレンチ不倫スキャンダル。

その内容は、何人ものファンと不倫を重ねていたり、その場所もホテルではなく家族で使用していた愛車の中だったりと、赤面したくなるようなものでした。

謝罪会見ではとにかく平謝りに徹し、イケメン俳優である自らの性欲までいじられるなど、その謝罪スタイルは強烈でした。報じられた以外にも複数のファンとメッセージのやり取りをしていたことや、自身の性欲が強く抑えきれなかったことを明かすなど、自らすべてをさらけ出す「全面謝罪」でした。

愛車の車種に絡めて「4WD不倫」などといじられ、イケメン俳優についた印象としてはダメージが大きかったでしょう。一方、原田氏の真摯な態度は、視聴者から一定の理解と好感を得られた側面もあります。

当たり障りないイケメン俳優から、何事にもよくも悪くも体当たりで取り組む原田氏のイメージ定着にもつながり、確実に有効だったと思います。この例は、数少ない芸能人の成功した謝罪の一つだと言えます。

あの会見を経て、現在の原田氏は、東京MXテレビのバラエティー番組の司会やCM出演など、芸能活動を継続するどころか、その活躍の場を広げています。もっと小さなスキャンダルでも火消しに失敗して、存在ごと消えてしまった多くの芸能人と比べ、明確に芸能事業というBCP(事業継続)に成功している例でしょう。

ちなみに私は騒動後、バラエティー番組で2回ほど原田氏とご一緒させていただきました。その都度、スキャンダルに触れるという役回りをしたのですが、原田氏はそのフリに快く応えてくださり、素人の私にもていねいに接してくださる好感の持てる方でした。