スーツ離れが加速している。2023年における1世帯当たりのスーツの年間支出額は、ピーク時の1991年に比べ1/5以下まで減った(総務省家計調査〈2人以上世帯〉)。

クールビズを機に加速したカジュアル化や、在宅勤務の普及など働き方の変化を経て、仕事着はスーツとは限らなくなったからで、量販店や百貨店を中心にスーツ売り場の閉鎖や縮小、業態転換が進んでいる。

しかし、そうした中でも唯一気を吐いているのが「オーダースーツ」だ。

今、圧倒的に選ばれているのは「オーダースーツ」

例えば、スーツ量販店を展開する青山商事やコナカは、近年オーダー分野に参入して売り上げを伸ばしている。オーダーは在庫を大幅に減らせる分、店舗スペースも縮小できるので、運営しだいで実は既製スーツよりもコストダウンが図れるのだ。

老舗アパレルのオンワード樫山までも「KASHIYAMA」のブランド名で従来より廉価なオーダースーツの展開に注力しており、高感度な百貨店やセレクトショップのバイヤーも「スーツの主役は、既製品からオーダー品にシフトしつつある」と口を揃える。

【写真】テーラー(個人経営の注文服店)によるオーダースーツも人気(15枚)