やっぱり口火を切った東急!

交通系ICカードと「タッチ決済」両方フツーに?

 東急は2024年5月9日、タッチ決済対応のカード(クレジット、デビット、プリペイド)や、同カードが設定されたスマートフォンなどを使用した「後払い乗車サービス」の実証実験を5月15日(水)より開始すると発表しました。東急の鉄道全駅が対象(軌道の世田谷線除く)で、同社線内においては、交通系ICカード以外のカードなどで改札を通過することが普通になるかもしれません。

 タッチ決済による乗車サービスは、外国人でも母国で使い慣れたクレジットカードなどをそのまま使用できることなどがメリット。鉄道では関西などで先行し、首都圏でも拡大しつつあります。区間を定めない通常の乗車を鉄道全駅で可能にするのは、首都圏では東急線が初と見られます。

 改札では、交通系ICカードとは別の専用読み取り部にカードやスマートフォンなどをかざすことで利用が可能。ただし運賃はIC運賃ではなく、10円単位の普通旅客運賃だそうです。タッチ決済は交通系ICカードよりも決済処理に時間がかかるデメリットもありますが、改札の通過後に決済処理を行う後払い方式で対応します。

 なお、今回は東急線内限定のサービスとなり、東急線と相互直通運転を行っている他社線は非対応です。世田谷線については2024年中に各駅へ読み取り機器を設置し、同じ実証実験を開始予定だといいます。

 ちなみに、東急の発表とほぼ同時で、京急と東京都交通局も2024年内に同じ乗車サービスの実証実験を開始すると発表。相互直通運転を行う京急線と都営浅草線での実施は、首都圏初となる事業者間の相互利用事例となる見込みです。東京都は他に都営大江戸線の20駅程度でも実証実験を行います。