クマ被害が相次ぐ北海道で猟友会が駆除要請を辞退する動きが出ています。

 21日、北海道別海町の牧場で見つかったのは4頭の子牛の死骸とけがをした子牛4頭。死んだ2頭は内臓を食べられたような痕がありました。

 牛舎で見つかったのはクマの足跡です。

なかしゅんべつ未来牧場 友貞義照さん
「痕跡を見るとほぼクマかな。4頭が死んでいて、3頭がケージから引きずり出された。施設に入ってきて、まして人がいるところなのでちょっと意外だ」

 牛を襲って食べる肉食グマ。66頭の牛を襲い駆除された、あの「OSO18」の再来なのでしょうか。

 新たな肉食グマが出現したとみられる一方で、道内の別の町では猟友会が駆除を辞退する方針を明らかにしました。

 問題の一つは報酬額です。過去の出動では…。

北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長
「100%ボランティア。無償で」

 こうしたなか、北海道奈井江町は先月、猟友会に「鳥獣被害対策実施隊」への参加を呼び掛けました。提示された日当は8500円、発砲した場合は最大で1万300円です。

 ちなみに札幌市の場合、クマ出没を受けての出動は2万5300円、捕獲・運搬した場合は3万6300円です。

北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長
「みんなそれぞれ仕事をしている。緊急で呼び出しであれば時間を割いて出られる者が出ていく。高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ、ハンターを馬鹿にしてない?という話ですよ。やはりヒグマは相手が違う。この条件だとちょっとやってられないよね」

 猟友会側は日当の増額を求めましたが、町は「予算がない」と話したといいます。

 奈井江町は「猟友会と改めて話し合いをしたい」とコメントしています。