80年以上、所在が分からなかったサッカー天皇杯の前身となる大会の優勝カップが発見され、JFA(日本サッカー協会)に返還されました。

日本サッカー協会 宮本恒靖会長
「非常に驚いているのと同時に光栄といいますか、これを目の前にして若干、圧倒される」

 「大日本蹴球協会杯」は1935年から1940年までの6年間、現在の「天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会」にあたる「全日本蹴球選手権大会」の優勝チームに授与されていた純銀製のカップです。

 1941年からは太平洋戦争の影響で大会は中止になり、優勝カップも所在が分からなくなっていました。

優勝カップを見つけたOB 藤岡康さん
「(Q.棚のどこに優勝カップが?)一番上の右の奥にありました」「先ほど棚で見つけたカップを見ている時にパッとこれ(1940年の集合写真)が目に入りまして、よく見ると(発見された)カップと瓜二つだなと」

 優勝カップが見つかった慶応大学ソッカー部はOBとの混成チームも含め、大会が開催された6年間で4度、大日本蹴球協会杯を手にし、戦前最後となる1940年の第6回大会でも優勝を飾っていました。

 今回の発見を受けて今月22日、OB会によって84年ぶりに日本サッカー協会に優勝カップが返還されました。

OB会 三田ソッカー倶楽部 縣恵一会長
「戦時下、我々の先人たちがこのカップを守ってきたという経緯がある。好きなサッカーやスポーツがやりたくてもできなかった時代、また全力で何かに打ち込むということがなかなか難しかった時代があったんだということを継いでつないでいくことが大事な使命である」

 日本サッカー協会は今後、返還された大日本蹴球協会杯の展示公開などを含め、活用を検討しています。