フィアット車をベースとしたスポーツブランドのアバルトが、EVモデル「600e」の登場を予告し写真を公開しています。SNS上ではどんな反応があるのでしょうか?

次世代クロスオーバーEVの高性能版

 アバルトは、フィアット車をベースとしたステランティスのスポーツカーブランドです。

 現在の自動車メーカーは、ベーシックなラインアップの上にベーシックモデルをチューニングした高性能ブランドを揃える傾向があり、フィアットとアバルトの関係もそれに当てはまります。

 現在のフィアットの中核モデルは500で、基準車のほかにクロスオーバーの「500X」とEVの「600e」を揃えています。アバルトも現在「アバルト500」とEVの「アバルト500e」を用意しています。

 今回発表のあったアバルト600eのベースはフィアット600eで、500Xに代わるクロスオーバーモデルに位置付けられています。ちなみに車体サイズの分類としては「Bセグメント」となります。

 ヨーロッパではすでに2023年7月に発表されており、純粋なEVの600eのほか「600ハイブリッド」も用意。電気モーターと内燃エンジン双方のパワートレインに対応できる車体として開発されています。

 600eのモーターの性能は115kW(156馬力)で、0‐100km/h加速は9.0秒で到達。「エコ」「ノーマル」「スポーツ」の3つのパワーモードも備えています。

 54kWのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は400km(WLTP複合サイクル)。最高出力100kWの急速充電に対応し、80%までの充電は30分以内、フル充電は6時間で完了できるとのことです。

 アバルト600eは、600をベースに開発中の高性能スポーツモデルです。

 搭載する電気モーターは240馬力で、ブレーキも大径化し放熱性を高めた高性能版を採用。そのほかにも「フォーミュラE」への参戦を通じて得た技術を投入するといいます。

 2024年1月に公開されたプロトタイプはカモフラージュ柄をまとっていましたが、今回はそれを脱いだ正式なボディが公開されました。

 ベースよりもローダウンがなされ、フロントフェイス下部のインテークダクト風のデザインが左右に拡大され、地を這うようなイメージを強化。リアスポイラーも装備されレーシーなイメージも持っています。

新型「アバルト600e」に対するSNSでの反響とは

 インテリアの写真も公開されました。ダッシュパネルには「ABARTH」のロゴが配され、ハンドルの中央にはアバルトのサソリのロゴがあしらわれています。

写真が公開されたアバルト新型「600e」のインテリア

 10インチの画面を持つインフォテイメントシステムとメーターはありますが、EVなのでギアレバーはなく、とくにセンターコンソールまわりがすっきりとしています。

 シートはホールド性の良いセミバケットタイプとなっており、滑り止め機能のあるスウェード生地も採用されています。

 発表に対してSNSでも多数の反応が見られます。「こういうのでいいんだよ」「一目惚れした」「半開きの目がカッコイイ」「実物を見てみたい」と高評価が多く見られます。

 500はもともとデザイン面での評価が高く、その影響もあり販売台数も高い水準を維持しています。

 アバルト600eは、500のデザインコンセプトを受け継ぎつつも、半開きの眼のようなヘッドライトを採用。“らしさ”と新しさの共存が受け入れられているようです。

 一方「サーキットを走った際、航続距離にどれほどの影響があるのか気になる」というコメントも。EVは高速度域で電費が悪化する傾向にあるので、高性能スポーツEVはなおさら電費が気になるところです。

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 今回のフィアットの新型EV「600e」に関しての発表は一部のみで、今後6月にさらに多くの情報を解禁するとしています。

 デザイン面などで注目を集める「600e」の今後の展開に注目が集まります。