ホンダは、2024年3月に発売した新型コンパクトSUV「WR-V」の累計受注販売台数が、およそ1か月で約1万3000台となったことを発表しました。近年では大ヒットとなる数字ですが、その人気の理由はどういうものでしょうか。

人気は中間グレードの「Z」

 ホンダは2024年4月22日、同年3月に発売した新型コンパクトSUV「WR-V」の累計受注販売台数が、発売から約1か月となる4月22日時点で約1万3000台と、月間販売計画の4倍以上となったと発表しました。

 WR-Vは2023年12月に発表、2024年3月22日に発売されたホンダのコンパクトSUVです。

 全長4325mm✕全幅1790mm✕全高1650mm、ホイールベース2650mmというボディサイズで、同じくホンダのコンパクトSUVである「ヴェゼル」の全長4330mm✕全幅1790mm✕全高1580−1590mm、ホイールベースは2610mmに近いサイズ感となっています。

 ただしヴェゼルにある4WDやハイブリッド「e:HEV」の設定はなく、新型WR-Vは前輪駆動(FF)のみ、そして搭載エンジンも118馬力・142Nmを発生する1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンのみとなります。

 都会的な印象の強いヴェゼルに対して、WR-VはSUVらしいタフなルックスが印象的です。

 さらに、WR-Vはインドからの「輸入車」であるという大きな特徴があります。ホンダはインド市場において「エレベイト」というコンパクトSUVを2023年に発売していますが、そのエレベイトの日本版がWR-Vとなります。

 消費税込みの車両価格は209万8800円(X)から248万9300円(Z+)という、手の届きやすい価格帯に設定しているのも特徴です。

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 今回は受注台数の数字のほか、人気グレードや人気カラー、また実際の購入層やユーザーからの評価についても発表されています。

 新型WR-Vは、用意される3グレード「X」「Z」「Z+」のうち、中間グレードの「Z」がもっとも人気で全体の55%を占めました。

 次いで最上級グレードの「Z+」が30%、エントリーグレードの「X」が15%となり、価格の安さよりも装備の充実したグレードが人気を集めているようです。

 人気のボディカラーは、「プラチナホワイト・パール」が35%、「クリスタルブラック・パール」が28%、「メテオロイドグレー・メタリック」が18%となり、カタログカラー「イルミナスレッド・メタリック」よりも白・黒・グレーの定番色を選択する人が8割を占めました。

 購入層としては、軽自動車やコンパクトカー、SUV、ミニバンなどさまざまな車種タイプからの乗り換えを中心に、幅広い年代のユーザーから注文を受けたということです。

 購入時の評価では、「見晴らしがよく、車両前方の距離感のつかみやすい運転視界」や「クラストップレベルの荷室空間」「安心と信頼を感じられる力強いエクステリアデザイン」がとくに好評だったとしています。