アウディのコンパクトハッチバック、セダン「A3」をベースにしたホットモデルである新型「S3」が4月9日に発表されました。いったいどのようなアップグレードがおこなわれたのでしょうか。
アウディの真骨頂を体験できるプレミアムコンパクトカー
2024年4月9日、アウディのコンパクトハッチバックおよびセダン「A3」のハイパフォーマンスモデルである、新型「S3」がドイツ本国にて発表されました。
A3は、同グループのCセグメントハッチバック、フォルクスワーゲン「ゴルフ」のプラットフォームとパワートレインを流用して、Cセグメントのハッチバックとして1996年に発売されました。
パネル同士のチリの小ささやインテリアの質感の高さを誇るA3は、ライバル車と比較しても上質さは群を抜いており、プレミアムコンパクトカーの先駆け的なモデルといえます。
さらに2014年にはハッチバックをベースにしたA3セダンが登場し、現行トヨタ「カローラ」と変わらないボディサイズながら塊感のある躍動感のあるフォルムは日本の道路事情にマッチし、国内でのシェアを拡大しました。
そのA3をベースに出力をアップし、4輪駆動で走行性能を高めたのがS3です。
1999年に登場した初代S3では1.8リッター直列4気筒で最高出力は210馬力でしたが、現行モデルの4代目モデルでは直噴2リッター直列4気筒となり、最高出力も310馬力まで高められました。
またインテリアは初代から高い質感を継承し続け、レカロ製レザーバケットシートやリアルカーボンパネルの採用などクラスを超えた上質感を演出しています。
このようなコンパクトカーのクラスを超えた動力性能と上質さを誇るS3ですが、2024年4月に改良された新型が欧州で発表され、注目を集めています。
最大のトピックは出力のアップで、パワートレインは従来の2リッター直列4気筒ターボエンジンを採用しながら、最高出力は従来の310馬力から23馬力アップの330馬力に、最大トルクは400Nmから20Nmアップの420Nmを発生。
これにより、0‐100km/h加速は4.7秒になり、最高速は250km/h(リミッター作動)に達します。
また新型S3では、A3シリーズのフラッグシップモデルである「RS3」に搭載されているトルクスプリッターをS3でも採用しました。
トルクスプリッターとは、リアホイールの左右のトルク配分を完全に独立化するシステムで、これにより敏捷性と安定性が向上します。
さらに従来のS3にあった6種類のドライブセレクトモードにプラスして「ダイナミックプラスモード」が追加されました。
ダイナミックプラスモードでは、スロットルレスポンスがダイレクトになりシフトスピードが短縮されるなどホットハッチに相応しいセッティングとなります。
SNSでは「最近のアウディで一番カッコいい」などの声
欧州で登場した改良新型のエクステリアは、S3らしいスポーティな外観で、6角形の大型シングルフレームとサイドエアインテークは、さらにワイド化されてダイナミックさを演出しています。
リアまわりも、光沢された大型リアエプロンはシングルフレームの形状を反映しており、組み合わされる4本出しのチタニウムサイレンサーはSシリーズの象徴といえるでしょう。
インテリアは、ブラックを基調とした上質なものを採用し、アルミニウム調の素材をアクセントに取り入れられ、オプションでスエード調のDinamicaマイクロファイバーやカーボンファイバー以外にもテクニカルテクスチャードファブリックも装飾に選択可能となりました。
また、アンビエントライトがシフター手前やドア、足元の収納部に追加されて、プレミアムコンパクトカーの演出に抜かりがありません。
このように大きく生まれ変わった新型S3ですが、SNS上でも賑わっておりさまざまな声が寄せられています。
SNS上では「派手すぎないエクステリアに確かな動力性能に大変惹かれる」や「パワーも十分過ぎるし4駆、ブリスターフェンダーの様な膨らみ方がセクシー」「最近のアウディで一番カッコいい」など新しいプレミアムコンパクトハッチを歓迎するコメントが寄せられていました。
ほかにも「普段使いもできて、家族が嫌がらないホットハッチ」や「快適で速いアウディS3スポーツバックがめちゃくちゃ欲しくなってる」など扱いやすいなかでも速さに特化したS3に賞賛を寄せるコメントも見受けられました。
一方で「フロントグリルだけ見てみても、現行型より退化してるようにしか映らない」などフレームレス化したグリルにコストダウンの疑念を抱く声もありました。
また「欲しいけど高すぎて買えない」や「とても魅力的だけど全部込み込みで800万近くなって絶望した」など価格が高騰するプレミアムカーに手が出ないなどの声も見受けられました。
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アウディ新型S3スポーツバックおよびS3セダンは、2024年5月から欧州市場にて登場する予定です。
なお、日本国内の取り扱い時期や価格は現時点では未定となっています。