昨年9月から休館していた最上地域ゆかりの漫画家と作品を紹介する「新庄・最上漫画ミュージアム」が11日、「新庄まちなか漫画ミュージアム」として再開する。単館の博物館から、市街地全体に広げる形でリニューアル。「HUNTER×HUNTER」の作者冨樫義博さんの実家・冨樫紙店も6月から加わり、聖地巡礼するファンを呼び込んでいく。

 新ミュージアムを構成するのは、万場町商店街のほか、ゆめりあ内のもがみ情報案内センターなどの23施設。徒歩で全てを回れるエリアだ。同市出身の阿部ゆたかさん、岡田理知さん、安彦麻理絵さん、最上町出身の海和雅実さん、母が同市出身で、父が舟形町出身の羽海野チカさんらを取り上げる。最上地域観光協議会が所有するイラストやサイン色紙のレプリカなど約130点を飾る。

 こらっせ新庄には、冨樫さんが描いた市公式イメージキャラクター「かむてん」を祭る神社や、新庄まつりを題材に作画したパネルを展示する。冨樫紙店ではHUNTER×HUNTERの原画レプリカを設置する予定だ。

 旧ミュージアムは2016年、ゆめりあ内に県内初の常設漫画博物館として設置された。施設管理者の方針変更に伴い23年9月にいったん休館。展示品などは市が保管していた。その後も多くのファンが漫画家ゆかりの地を見ようと訪れていたが、聖地を巡る仕掛けはなかった。

 万場町の喫茶店「万場町のくらし」に足を運べば、冨樫さん複製サイン色紙や阿部さんのイラストのレプリカに出合える。協力店代表で最上のくらし舎代表理事の吉野優美さん(36)は「地元は観光客を歓迎している。何も買わなくても大丈夫なので、気軽に『○○が見たい』と声をかけてほしい」と話す。

 問い合わせは同協議会事務局の県最上総合支庁観光振興室0233(29)1311。