米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、4月30日〜5月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公開した。参加者は、1〜3月の物価指標が目標の2%へ進んでおらず、利下げ開始までに「予想よりも時間がかかる」と指摘した。現行の金利水準が、インフレ(物価上昇)抑制に適切かどうか不透明だとの見解も示した。

 FRBは会合で、政策金利を6会合連続で年5・25〜5・50%に据え置くことを決めた。金利水準は約23年ぶりの高さが続いている。

 議事要旨によると、参加者は「最近の指標では、インフレが持続的に2%に向かっているという確信が高まっていない」との見解で一致。利下げまでに想定以上の時間を要するとの見方を示した。経済成長率も「力強いペースを維持している」とした。

 また多くの参加者が、金利を引き上げても、インフレを抑える効果が従来より小さくなっている可能性を指摘し、適切な金利水準に「不確実性が生じている」とした。何人かの参加者は、インフレの再燃リスクが高まった場合には、追加利上げも選択肢の一つになるとの考えを示した。(ワシントン支局 田中宏幸)