アダンに囲まれた小道を抜けると、自然の奇跡が生んだ絶景に出合える。宮古島市、下地島空港ターミナル反対側にある「下地島の通り池」は、ぽっかり空いた二つの「池」が並ぶ国指定の名勝・天然記念物だ。

 池は地下で海と通じる縦穴で、琉球石灰岩が浸食されてできた鍾乳洞の天井2カ所が崩れ落ちたもの。海側から潜り込める人気のダイビングスポットにもなっている。その昔、海の霊を釣り上げた漁民の屋敷が罰として津波に襲われ、陥没したという伝説が残る。

 陸側から見て右側に最大径75メートルの「一の池」、天然橋を挟んだ左側に同55メートルの「二の池」がある。一の池を見下ろせる少し開けた場所は、自撮りをするのにお勧めだ。あずまやで座って景色を眺めたり、天然橋から続く遊歩道で海岸植物群落の中を散策したり。ゆったりした時間を過ごせる。

 くれぐれも柵の外に出たり身を乗り出したりしないように。また、石を持ち帰ったり穴を掘ったりするなど現状を変える行為は厳禁。純粋に景観を楽しもう。(宮古支局・當山学)

 宮古島市伊良部佐和田。年中無休、入場無料。問い合わせは市教育委員会生涯学習振興課、電話0980(72)3764(土日・祝日は対応不可)。