4人組グループ・ふぉ〜ゆ〜の辰巳雄大が7日、都内で行われた舞台『Change the World』(6月8日〜16日上演、東京・サンシャイン劇場)の取材会に参加し、同作への思いを明かした。

 本作は、秦建日子氏が2023年に発表した小説「Change the World」を原作に、秦氏自ら脚本を書き下ろし、舞台化する社会派ミステリ。『サイレント・トーキョー』のタイトルで映画化された秦氏の小説「And so this is Xmas」の続編で、作中では「And so this is Xmas」で描かれた世界から2年後の東京が描かれる。渋谷で起きた爆弾テロ事件から2年後、錦糸町で新たな事件が起こる。渋谷テロ事件解決の立役者となった刑事の世田志乃夫(松岡充)は、その事件を追うことになる。

 辰巳は「中学生ぐらいでお芝居の仕事を初めてやったときに、『お芝居をやりたい』という気持ちが強くなりました。ただ、当時はなかなかチャレンジする機会が少なくて、いつかのためにとたくさん舞台を観劇していた」と回顧。

 その時期に秦氏が2008年に「秦組」旗揚げ公演として上演した『Pain』を観劇したと明かし、「その日はゲリラ豪雨のような天気で、作品の終盤ですごい雷の音が鳴ったんです。僕は最初それが演出の音響だと思ったのですが、実は違ったと。それがすごく響いたと言いますか、“演劇は生ものなんだ”ということをすごく感じて、衝撃を受けたんです」と語る。

 そして「そのときからずっと、秦さんの名前を見るたびに『いつか絶対出たい、秦組に参加したい』という強い気持ちがあった」と言い、「今回作品に参加できることが決まったとき、まずはその当時から長年掲げてきた目標を達成できた気がしました。『俺、ここまで来たぞ』というか、芝居でちゃんと呼ばれるようになったんだという自覚が生まれて、すごく気合いが入ったんです」とうれしそうに伝えた。

 達成感と強い決意を胸に臨む今作。「秦さんの作品ということで、僕自身がお芝居の中ですごく大切にしている『演じるのではなく、その役として生きる』というものを突き詰めたい」とし、「秦さんの脚本はそういうチャレンジができるので、役者として階段を1つのぼるため、自分の中でのハードルを上げて臨むべきものだと思っています」と意気込んだ。

 けいこをスタートさせた現在、出演キャスト全員がそれぞれに試行錯誤をしている最中だと言いながら、「演劇は一度として同じものができないものだと思っています。だからこそ、劇場で感じてもらえるものがたくさんある作品だとも思います」とし、「この『Change the World』というタイトルが、見終わったみなさんにのしかかってくるはず」と予言しながら「登場人物みんながアツい思いを持ってステージに立ちますので、ぜひ劇場で一緒に事件を解決していただけたら」と呼びかけた。