2024年も盛り上がりをみせる国内女子ツアー。彼女たちのスイングには効率よく飛ばす要素が詰まっている。今回取り上げるのは、ツアー通算2勝を挙げている実力者の柏原明日架。高いトップからパワーを逃がさずに下ろしていく切り返しのテクニックを、石井忍が解説する。




スタンスが広く、ヨコの体重移動を使って打っていくタイプです。注目すべきは切り返し。高いトップから胸を右に向けたまま手元を遠ざけているので、手首のタメがほどけず、インパクトに向かってパワーを出していけます。切り返しで胸が開く人は、手首のタメが早くほどけて、インパクト前にパワーが抜けちゃう。柏原プロは切り返しが穏やかだし、しっかり左に乗れているのでなおさらいいですね。


僕が高校生の頃、練習場にいたおじいちゃん先生に「刀の鞘が付いていると思って、切り返しで抜いてこい」と教わりました。それがまさに柏原プロの切り返し。刀を鞘から抜くイメージで切り返すと、胸が開かずインからボールをつかまえることができます。

そして、インパクトに向かってしっかり左足を蹴り上げていく。これは一番簡単にヘッドスピードを上げる方法でもあります。ただし、カット軌道のゴルファーが左足を蹴ると、どんどん曲がるので注意が必要。やはり、刀を鞘から抜く切り返しで胸を開かないことがポイントです。

■柏原明日架
かしわばら・あすか/1996年生まれ、宮崎県出身。19年に2勝を挙げて以来、勝利から遠ざかっている。今季は開幕から4試合でトップ5に2回入るなど、復調の兆しを見せている。富士通所属。

■石井忍
いしい・しのぶ/1974年生まれ。千葉県出身。98年にプロ転向し、かつてはツアープレーヤーとしてレギュラーツアーで戦っていた。現在は『エースゴルフクラブ』を主宰し、プロゴルファーやアマチュアの指導を行うほか、軽快なトークで解説者としても人気を博す。


◇ ◇ ◇

●今年の「ヤマハレディースオープン葛城」でツアー通算10勝目を挙げた小祝さくら。安定したドライバーショットのポイントは、ダウンスイングで過度なタメを作らないところにある。関連記事【“タメ少”だから再現性が高い! 小祝さくらはライン出しイメージでポーンと打つ】をチェックしよう。


<ゴルフ情報ALBA Net>