<ブリヂストンレディスオープン 事前情報◇14日◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇6731ヤード・パー72>

開幕前の特別企画として、ともに38歳の宮里藍と横峯さくらがトークセッションに参加し、『ゴルフのわくわく』をメインテーマに語り合った。これは今季から横峯がブリヂストンとボール契約を結んだこともきっかけになり実現したプログラム。同社のアスリートアンバサダーという肩書を持つ宮里も「よくぞ決断してくれたという感じ(笑)。同じチームブリヂストンでやるのは新鮮ですね」と大歓迎ムードだ。


日米通算24勝の元世界1位と、国内通算23勝を誇る2009年賞金女王。女子ゴルフ界に大きな足跡を残している2人は、セッション終了後に受けた並びの取材について「新鮮です」と声をそろえる。こうやってツーショットでしっかりと語り合うイベントは「記憶にない」という意見も同じだ。

「(イベントは)あっという間でした。子供が生まれる前はプライベートでご飯に行ったりもしてたけど、さくらは(選手として)頑張っているし、ゆっくり話を聞く機会も少なくなっていた。ここで思いを聞くこともできてすごくうれしかったですね」。宮里にとって感慨深い一日になった。

今年からクラブ契約フリーになったことをきっかけ、ブリヂストンのボールを選択した横峯は、現在『TOUR B X』を愛用中。トークセッションでは「距離も出るし、ウェッジでの感覚もいい。コントロールしやすいですね」と、その性能に惚れ込んでいる様子もうかがえた。これは「そのニュースを聞いて一番ビックリしたのは私だけどね(笑)」と、宮里にとって衝撃的なできごとでもあった。「自分が今までいいと思って使ってきたものを、これだけよく知っている人が選ぶと『やっぱりそうだよね〜』って自信も深まる。“横峯さくらも使ってます”って他に言えるから」。やはり特別な存在だ。

宮里の言葉に特に力が込もったのが、あと7勝に迫った永久シード獲得を目指し、いまも現役を続ける横峯について語った時のこと。「これはずっと言おうと思っていたんですが、みなさんが思っている以上に(38歳で現役を続けていくのは)大変なこと。フィジカル的なリカバリーも大変なはず。チャレンジする姿は脱帽。自分にはできない」。ふとした時にはスコアをチェックするなど、同い年の活躍は気になる。

一方の横峯は、「ジュニア育成もしっかりやっているし、若い選手たちとトークセッションもしている。トップ選手の藍ちゃんだからこそ伝えられる言葉がある。そこはすごい」と宮里について話す。選手とは違う形でゴルフ界に関わる姿が刺激になっているようだ。

トークセッションでは、ジュニア時代の記憶や、プロとしての思いなど、さまざまな“ゴルフのわくわく”が語られた。また10年、20年先もゴルフ界が盛り上がっているためにゴルフ人口を減らさないようにという意見を出し、その対策として「大人(がゴルフを始めるため)のハードルの下げ方に変化が必要。気軽に行ける時に行って9ホールだけ回るとか」(宮里)、「家族で楽しめるパークゴルフ(クラブ1本、ボール1個で行うスポーツ)の普及」(横峯)などの私見がいくつも飛び出した。

時に横峯の“天然発言”に宮里が爆笑するなど、終始和やかな雰囲気で会は進んだ。この大会でも『アンバサダー』、『選手』と立場こそ違うが、つかの間の楽しい時間がそれぞれの活力になる。(文・間宮輝憲)


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