6月16日は和菓子の日!

848年6月16日に、仁明天皇が御神託に基づいて、6月16日の16にちなんだ菓子、餅などを神前に供えて、健康招福を祈誓し「嘉祥」と改元したという古例にちなんで制定されました。

今回は日本最初の和菓子は何だったか、「おはぎ」と「ぼたもち」の違いなど、違いの分かる人になれる和菓子の豆知識をご紹介します。

■日本最古の和菓子は?
「和菓子」は、日本の伝統的なお菓子のこと。明治以降に西洋から伝来した「洋菓子」と区別するためにこう呼ばれるようになりました。

元々、日本では古来から食事以外の嗜好品として木の実や果物を食べていました。これが「菓子」の語源であり、今でも果物のことを「水菓子」と呼ぶのはその名残です。

現代のような意味になったのは、米粉などを果物の形に加工して揚げた「唐菓子」が中国から伝来して、奈良時代ごろに定着したことがきっかけ。

その「唐菓子」の影響を受けて作られた、餅粉に甘葛をかけて椿の葉で包んだ「椿餅」が日本最古の和菓子とされています。

■「おはぎ」と「ぼたもち」の違い
桜の季節に桜餅、端午の節句に柏餅など、四季に合わせたものが多いのも和菓子の特徴です。

「おはぎ」と「ぼたもち」は、どちらも蒸した餅米を丸めて餡子で包んだ和菓子ですが、季節によって呼び名が変わります。

名前の起源は江戸時代までさかのぼります。春と秋のお彼岸に、“蒸した餅米を丸めて餡子で包んだ和菓子”をお供物にしていました。

秋のお彼岸にお供えした方は、秋に咲く萩の花に似ていることから萩餅と呼ばれるようになり、それが「おはぎ」に変化しました。

一方、春のお彼岸にお供えした方は、春に咲く牡丹の花に似ていることから牡丹餅と呼ばれるようになり、それが「ぼたもち」に変化したとされています。

現在では1年中食べられる和菓子となり、地域やお店によっては「こし餡がおはぎで、粒あんはぼたもち」など、原材料や作り方の違いで呼び分けている場合もあります。

■和菓子の甘さの最上は干し柿?
古くから「和菓子の甘さは干し柿をもって最上とする」という言い回しがあるのはご存じでしょうか。

これは砂糖が貴重だった平安時代から冬のお菓子や保存食として重宝されてきた「干し柿」の上品で濃厚な味わいを称える言葉です。

これ以上に糖度が高くなると甘すぎて風味を損なうとして、和菓子の甘さの基準としても引き合いに出されます。

あのグルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』でお菓子対決が行われた際も、山岡士郎と海原雄山のどちらも「干し柿」をベースにしたメニューを用意して、勝負の結果は引き分けでした。

干し柿こそが、至高かつ究極の和菓子なのかもしれません……!

昔から身近にあって、実は奥の深い和菓子。この機会にお好きな和菓子を食べてみてはいかがでしょうか。

この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。