岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「楽屋にあるとうれしいもの」です。

全国には多くのライブハウスがあります。ライブハウスの数だけ楽屋の数もある。今日は楽屋にあるとうれしいものをお伝えしたいと思います。まずなによりソファがあるといい。欲しいものがいきなり大物ですみません。僕はリハがちゃちゃっと終わります。一人だし、楽器もないし、小道具もないし、ダンサーもいない。マイクの確認と照明の確認ができればすぐに終わってしまいます。リハが早く終わるということは、リハ終わりからライブが始まるまでの時間がけっこうあるということ。そこで楽屋でどう過ごすかが肝心になってくる。靴を脱いでごろりと横になれるソファがあるとリラックスできて大変よいのです。みなさん、ソファ置いてください。

もう一つ贅沢を言うなら、洗面台もあるといいです。ライブの直前に髭を剃りたい。そういう時にトイレにしか洗面台がないタイプの楽屋だと他のスタッフも洗面台を使いたいかもしれない…と思い、一人で独占するのが申し訳なくなってしまいます。楽屋内に洗面台があれば誰にも邪魔されず、念入りに身支度ができるのでありがたいです。

さらにもっと贅沢を言うならば、楽屋に会場の様子がわかるモニターがあるとうれしい。ライブハウス内がお客さんの背中でどんどん埋まっていく様子を眺めているとモチベーションが上がります。小走りで前のエリアを取ろうと急ぐ人などをみつけると、より一層ワクワクします。「めっちゃ楽しみにしてくれているんだ」というのがわかると、こちらのやる気も上がります。それ以外のものだと、ウェットティッシュくらいを置いておいていただけたらもうそれで十分です。消耗品ですし、絶対に必要なものなのでありがたく使わせていただきます。

差し入れも、お気遣いいただくことがありますが、「本当に気を遣っていただかなくて大丈夫です」と申し上げたい。以前、「ボロフェスタ」の発起人でもある、京都の「Live House nano」の周年イベントで、トイレットペーパーを2ケース車に積んで持っていったことがあります。その時に店長のモグラさんに「こんなんいっちゃんうれしいわ」と喜んでもらえた。暮らしで必ず使う紙をもらうことほど、合理的かつ相手を困らせない差し入れはないと思っています。

おかざきたいいく 自身初となるEP『Suplex』(SME レコーズ)配信中。開催中の「岡崎体育Zepp Tour 2024」も、いよいよ6/2東京(ダイバーシティ)でファイナル!

※『anan』2024年5月29号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈

(by anan編集部)