パレスチナ自治区ガザ出身の両親を持つ男子中学生や、賛同する若者たちが26日、福岡市・天神でイスラエルの侵攻に抗議するデモを行う。一時は約150万人が避難していたとされるガザ最南部ラファで、戦火がさらに広がるのを食い止めたいという思いを街頭で訴える。

 デモを提案したのは福岡市の中学3年生、エルジャマル・モハメドさん(14)。日本で生まれ育ったが、両親はガザ出身で、現地には多くの親戚がいる。父方の曽祖母は避難先の家が攻撃され、今年初めごろに亡くなった。父方の親戚だけで約15人が犠牲になったという。

 エルジャマルさんは、ラファへの攻撃について「南部は安全と思って避難してきた人を攻撃するのはおかしい」と語る。会見には、思いに賛同してデモを支える20代の学生らも同席し、「話を聞いて他人事ではなくなった。1秒でも早くパレスチナに対する攻撃が終わってほしい」と語った。

 エルジャマルさんに共鳴した市民団体などの呼び掛けで集まったイスラム教徒や日本の若者らが26日午後3時から、福岡パルコ前でスピーチをする。その後、40分ほどかけて天神を練り歩く予定。エルジャマルさんは「男女も年も関係なく人を殺すことを止めたいと思う人全員に来てもらいたい」と参加を呼びかけている。(伊藤未来)