南米大陸において“もっとも技術力の高い”FFツーリングカー選手権と称するTC2000の第3戦が、5月17〜19日にアウトドローモ・サン・ニコラスで開催され、シリーズ3冠王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)を父に持つ若干20歳の新鋭ティアゴが、予選ポールポジションを獲得した父を差し置きシリーズ初優勝からの連勝を達成。ルーキーを対象とした中南米カップ登録ながら、歴代TC2000ウイナーの歴史に名を連ねる活躍を演じてみせた。
この5月11日に逝去した往年の名ドライバー、ファン-マリア・トラヴェルソに敬意を表し、その名を大会名に冠した2024年シーズン第3戦だが、前年度にシボレーで同地を制覇し、今季はホンダ陣営のYPFホンダRVレーシングに移籍して連覇を狙うフランコ・ヴィヴィアン(ホンダ・シビックTC2000)も「これは彼の名前が冠されている特別な大会」と、そのレースウイークを前に改めての意気込みを語った。
「サン・ニコラスはとても好きなサーキットで、昨季2023年は素晴らしいパフォーマンスで優勝することができた。今年はホンダとともにその勝利を再現したいと思っているし、オープニングヒートで得た順位を活かしてメインレースではできるだけ多くのポイントを獲得することが目標だ」
そんなTC2000では、この2024年より段階的にB〜Cセグメント級のSUVをベースとした新車両規定の導入を予定し、昨季後半から車両開発テストを継続してきたが、このサン・ニコラスの金曜にはシリーズが用意する“プロトタイプ001”こと『フォルクスワーゲン・ニーヴァスSUV』による今季2回目の公式テストも実施された。
ブエノスアイレスのオスカー・ファン・ガルベスで3月末に走行して以来となるプロトタイプ001には、ともにこれが新型モデル初ドライブとなる今季TC2000復帰組の5冠王者マティアス・ロッシ(トヨタ・カローラTC2000)と、同3冠王者ペーニャが乗り込み、午前と午後の2回のセッションで異なる空力負荷とエンジン設定による評価が実施された。
「初めてSUVを運転するのは素晴らしい気分だった。エンジン音、コーナリング時のグリップ感、トラクションともにとても気に入ったよ」と語るのは、トヨタGR陣営の絶対的エースであるロッシ。
「エンジンパワーは印象的であり、それこそこのカテゴリーが前輪駆動SUVの開発を継続しなければならない点だ。このSUVはTC2000に異なる色を与えるだろうし、トヨタのモデルや他のブランドがトラック上でどのように見えるか、早く見てみたいね」
ルノー陣営でアクシオン・エナジー・スポーツTC2000を牽引するペーニャは「とても気に入った。この新型SUVはとても速く、ドライバーへの要求が厳しく、すべての期待を上回ってきた」と高い評価を与えた。
「すべての挙動が非常に速くクイックだし、ドライバーはつねに集中して作業を続けなければならない。ブレーキングの反応も良くて、数周で基準タイム内に収まるね」と続けたペーニャ。
「もっとも感銘を受けたのはエンジンだ。このエンジンは自分のミスに対して高い代償を支払うことになりそうな、ドライバーの技量を試すような側面も持ち合わせているよ」
■弱冠20歳のティアゴ・ペーニャ、連勝で選手権5位に浮上
その金曜には選手権10位以下のルーキーを対象とした“FP0”も実施され、ここではエミリアーノ・スタン(フィアット・クロノスTC2000)が最速をマーク。しかし明けた土曜からはシリーズが誇る実力者たちの共演となり、FP1はTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのトヨタ・カローラTC2000を操るロッシが、続くFP2はYPFホンダRVレーシングの10号車をドライブするベルナルド・ラヴァー(ホンダ・シビックTC2000)が、そして予選ではルノーのペーニャが前戦に続く最速とし、アルゼンチンが輩出した最高のハコ車使い“ペチート”ことホセ・マリア・ロペスに並ぶ通算31回目のポールポジションを獲得した。
これでラヴァーとロッシを退け、同地2年連続の予選最速としたペーニャだったが、チャンピオンシップ順位に応じたシリーズ特有のハンディキャップ・タイムペナルティ制度が適用されたグリッドは、ディレクTV OCASAレーシングから参戦する予選5番手だったティアゴ・ペーニャと、同じくルノー陣営のフィゴ・ベッソーネ(ルノー・フルーエンスGT)が並ぶフロントロウに。
そのまま土曜現地17時20分から開始された20分+1ラップのレース1は、ロッシらとの勝負の末に3位表彰台をもぎ取ったYPFエライオン・オート・プロ・レーシングのダミアン・フィネンチ(シボレーYPFクルーズ)を尻目に、フロントロウの新鋭同士2台がマッチレースを展開。そのまま背後からのプレッシャーを凌ぎ切ったティアゴが今季昇格のTC2000で初優勝を達成し、全員がアルゼンチンを代表するトップドライバーの2世という表彰台に。ポディウムではそれぞれの父がトロフィーを授与する場面も演出された。
これでレース2に向けても視界良好の最前列グリッドを確保した2022年の『アルゼンチン・フォーミュラ・ナシオナル』チャンピオンは、これがウルグアイ・レーシング・チームのデビュー戦となるフアン-イグナシオ・テスケ(ルノー・フルーエンスGT)との勝負を展開。ウルグアイ出身のルーキーに対し、9周目に一旦は首位を明け渡したものの、冷静な“プッシュ・トゥ・パス”の活用などでポジションを奪い返し、ホンダのベテランであるラヴァーも3位に従えての完璧な週末を締め括った。
この活躍により、連勝のティアゴは45ポイントで選手権5位、中南米ルーキーカップでは48ポイントで4位に浮上。続くTC2000第4戦は6月8〜9日にアウトドローモ・シウダード・デ・ロザリオで開催される。
ポールを獲得した3冠の父を出し抜き、新鋭ティアゴ・ペーニャが週末完全制覇/TC2000第3戦
関連記事
あわせて読む
-
アルカラス 100週連続でトップ5維持
tennis365.net6/17(月)19:03
-
フェラーリが快挙! 90年ぶりのにル・マンとモナコGP同年優勝。連覇達成で「まぐれではないことを証明した」
オートスポーツweb6/17(月)18:40
-
バレーボール男子日本代表、石川祐希・髙橋藍ら第3週フィリピンラウンド出場の14人発表 【一覧】
TBS NEWS DIG6/17(月)16:12
-
「アクシデントがなければ勝てたと思う」トヨタ、ル・マンで悔しい2位表彰台。優勝まであと一歩届かず
オートスポーツweb6/17(月)14:16
-
クロアチアの美女サポーター、EURO2024に降臨!スペインに負けたのに「ノーストレス」と言うワケ
Qoly6/17(月)12:25
-
オオタニサーン 中央競馬・東京3Rで初勝利 大谷翔平のように実況で米国風馬名連呼
スポニチアネックス6/17(月)12:00
-
惜敗のトヨタGR豊田章男オーナー「世界一のチームをもう一度目指していこう!」ル・マン後コメント全文
オートスポーツweb6/17(月)11:25
-
トヨタ8号車、不運にも泣きル・マンを5位で終える。悔しさを抑えきれないドライバーたち「終盤のアクシデントがなかったら勝てていた」
motorsport.com 日本版6/17(月)11:24
-
エムバペ、パリ五輪不参加を明言
AFPBB News6/17(月)10:15
-
-
パリ五輪代表MFのメンバー入りは最終予選の主力でも安泰ではない激戦 生き残るのは誰か
webスポルティーバ6/17(月)7:15
-
最高速を欠いたポルシェ。表彰台を逃す結果に「BoPのせいじゃない」とLMDh責任者/ル・マン24時間
オートスポーツweb6/17(月)7:00
-
トヨタ勢は2、5位=王座奪還ならず―ルマン24時間
時事通信6/17(月)6:42
-
あと1歩届かなかった……トヨタ小林可夢偉、前途多難のル・マン24時間レース惜敗に「めちゃめちゃ悔しい」
motorsport.com 日本版6/17(月)0:31
-
トヨタ、王座奪還ならず=小林組の2位が最高―ルマン24時間
時事通信6/16(日)23:34
-
【暫定結果】2024年WEC第4戦/第92回ル・マン24時間 決勝
オートスポーツweb6/16(日)23:15
-
ル・マン24時間レース決勝速報|フェラーリ、逃げ切り2連覇達成! トヨタとの近年稀に見る大接戦を制す
motorsport.com 日本版6/16(日)23:13
-
力走のトヨタ、わずか14秒及ばず。ドラマに溢れた激戦制し、フェラーリ499Pが連覇達成/ル・マン24時間決勝
オートスポーツweb6/16(日)23:06
-
「事実上完了」インテル会長がエースFWラウタロとの契約延長を明かす「後はサインもらうだけ」
超ワールドサッカー6/16(日)22:55
-
スポーツ アクセスランキング
-
1
超人気俳優が激痩せ 「ガリガリだけど大丈夫?」こけた頬にネット騒然… 心配の声も
スポーツブル6/17(月)15:24
-
2
今永昇太「ハズレ商品」扱いから意地の快進撃 カブス以外が争奪戦から撤退した理由
東スポWEB6/17(月)20:40
-
3
元中日、DeNAの左腕・笠原祥太郎がオイシックスに入団 すでにチーム練習に合流
日刊スポーツ6/17(月)14:13
-
4
大谷翔平、2打席連続本塁打。打球飛距離でドジャースタジアムの歴史に名を刻む
J SPORTS6/17(月)17:10
-
5
男子バレー NLフィリピン大会メンバー発表 石川祐希、高橋藍、西田有志、大塚達宣ら14人 18日にカナダ戦 【一覧】
デイリースポーツ6/17(月)16:37
-
6
混迷の西武 なぜ?球団初のシーズン100敗ペース どう立て直すのか 松井監督電撃休養 渡辺監督代行の交流戦4勝14敗で借金増 評論家「フロントが選手を追い詰めてしまった」
デイリースポーツ6/17(月)15:35
-
7
バレー・古賀紗理那 西田有志と夫婦五輪出場「とてもうれしい」一方で、石川真佑は兄・祐希と…
スポニチアネックス6/17(月)19:28
-
8
大谷翔平が侍ジャパンに勧誘した“リトル・イチロー”が衝撃の打率.398!20年ぶり日系・日本人の首位打者獲得へ!
THE DIGEST6/17(月)16:23
-
9
大谷翔平の2打席連発にブチキレた…!? 被弾した相手投手のリアクションが話題に「なんか叫んだな」「そりゃキレるだろw」
ABEMA TIMES6/17(月)23:50
-
10
骨折の阪神・木浪の代役候補、高木豊さん意外な名前を挙げる「いるにはいるよ。守備だけだったらね」「8番なら山田も面白い」
中日スポーツ6/17(月)20:52
スポーツ 新着ニュース
-
ドジャース ベッツが左手甲に死球受け骨折 復帰時期は未定
デイリースポーツ6/18(火)2:00
-
大谷翔平 2打席連発の18号&19号 山本&ベッツ離脱「チームでカバー」2人の分までフル回転へ
デイリースポーツ6/18(火)2:00
-
山本由伸 前半戦絶望的 右肩腱板の損傷で負傷者リスト入り ロバーツ監督「時間がかかる」
デイリースポーツ6/18(火)2:00
-
J2降格圏19位の京都が元U―20ブラジル代表ストライカーを獲得へ
スポニチアネックス6/18(火)2:00
-
五輪出場圏内の日本勢 1位笹生優花、2位古江彩佳変わらず 岩井明愛5位浮上/最新女子世界R
日刊スポーツ6/18(火)1:35
-
ドジャース・大谷 今季初2打席連発18&19号!チームに勇気与える2発
スポニチアネックス6/18(火)1:30
-
ドジャース・大谷の父・徹さん 父の日に2打席連発「最高のプレゼントです」
スポニチアネックス6/18(火)1:30
-
ドジャース・由伸 右肩腱板損傷でIL入り 前半戦絶望 大谷「サポートしたい」
スポニチアネックス6/18(火)1:30
-
ドジャース・ベッツ 死球で「左手付け根の骨折」長期離脱へ
スポニチアネックス6/18(火)1:30
-
タイガース・マエケン 打球直撃響いた5回4失点3敗「気にしてしまって、ちょっと崩れた部分もあるかも」
スポニチアネックス6/18(火)1:30
総合 アクセスランキング
-
1
研修医が誤診、高校生死亡=上級医に相談せず―日赤名古屋第二病院
時事通信6/17(月)21:01
-
2
モデルの松井遥南、幼少期は米国で過ごしたバイリンガル「英語のほうが得意」 父は野球界のレジェンド
ENCOUNT6/17(月)19:40
-
3
誤診で16歳男子高校生死亡 名古屋日赤、十二指腸閉塞
共同通信6/17(月)18:20
-
4
上戸彩 仲が良すぎる兄とのキスショット披露 兄の恋人からの手紙の内容にスタジオどよめく
スポニチアネックス6/17(月)21:53
-
5
King & PrinceとNumber_i「初共演」へ 7月13日のTBS系特番『音楽の日』
ENCOUNT6/17(月)21:00
-
6
市川猿之助が住み続ける「父親名義の4億円豪邸」に、香川照之と相続めぐる“骨肉の争い”の可能性
週刊女性PRIME6/17(月)16:00
-
7
「アンチヒーロー」長谷川博己が猛省「しゃべりすぎたな、ちょっと」演じた弁護士の本質に迫る
スポニチアネックス6/17(月)21:50
-
8
前代未聞!「笑点」が挨拶なしで放送終了 回答者全員が立ち上がり、次々に舞台袖へ 司会の春風亭昇太まで退場
デイリースポーツ6/17(月)17:49
-
9
NHK『新プロジェクトX』波紋 「真ん中でガッツポーズ決めてた」中心人物、なぜか一切登場せず家族から疑問の声 スパコン『京』めぐり
中日スポーツ6/17(月)18:38
-
10
上戸彩、兄の抱えてきた葛藤明かす 兄妹であることを「去年くらいまで隠してました。戸籍も変えたいと」
スポーツ報知6/17(月)21:57
東京 新着ニュース
東京 コラム・街ネタ
特集
記事検索
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
(C)2024 SAN'S