清宮虎多朗

 期待の育成右腕が目標とする支配下登録へ、確かな一歩を刻んだ。5年目の今季はイースタンで39試合に登板し2勝2敗、22セーブ、防御率4.00で、セーブ王のタイトルを獲得した。

 ただ、満足する様子はまったく見られなかった。「今年は一軍に行けなかった。危機感もある」と口にした。

 190センチの長身から最速159キロの直球を投げ下ろす。フォークとスライダーが持ち球だが、精度が今ひとつ。勝負球の習得が喫緊の課題だ。

 本人は来季に向けて「6年目になるので結果を出さないといけない。やらないと、という気持ちを持ちながら、取り組んでいきたい」と闘志を燃やす。

 制球にも課題が残るが、角度のついた速球はやはり魅力だ。三木肇二軍監督は「努力家だから、しっかりトレーニングも体づくりもして、しっかりしてきた」と練習への取り組みを含めて評価し「一軍で戦力になる可能性、チャンスが出てくるところまで来た」と期待を寄せた。

 2021年2月に右肘を手術。昨季から本格的に実戦復帰したが、思いどおりの投球はできなかった。それでも「絶対にやってやる」と強い決意を胸に、どん底からはい上がってきた。

 オフには契約更改交渉に臨み、250万円増の500万円で育成再契約した。球団を通じて「支配下登録はもちろん、一軍の戦力、一軍の勝利に貢献することを目標にやっていきたい」とコメントした。

 課題と言われるリリーフ陣に需要があるのは間違いない。来季こそ、支配下登録を勝ち取ってみせる。

写真=BBM