26日、東京都・新木場1stRINGにて『Marigold Grand Opening Wars 2024』が開催。天麗皇希と石川奈青がシングルマッチで対戦した。

 マリーゴールドはロッシー小川が代表取締役となって創設された新団体。
 スターダムを退団したジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣(元:桜井まい)、ビクトリア弓月(元:弓月)の5選手に加え、元全日本女子プロレスで元スターダムの高橋奈七永、元アイスリボンでスターダム『NEW BLOOD』で偽中野たむとしてプチブレイクした石川奈青が所属となることに。
 さらに、アクトレスガールズの風香プロデューサーが青野未来、澄川菜摘(翔月なつみ)、松井珠紗、CHIAKI、皇希(天麗皇希)、後藤智香と一線級の6選手を引き連れて入団したことで女子プロレス界は大騒ぎに。

 加えて、元スターダム練習生の南小桃、元アイスリボンの南ゆうき、南とアイドルユニットを結成している咲村良子、咲村と同事務所の橘渚というグラドル3人が練習生として所属。さらに旗揚げ戦には“元祖グラレスラー”愛川ゆず季の来場も発表されるなどマリーゴールドは旗揚げ前から強大な勢力を持つ団体としてプロレス界の台風の目となっている。

 今月20日に後楽園ホールで行われた旗揚げ戦では、立見席も売り出される中で1539名(超満員札止め)の観衆が詰めかけ、異様な熱気に包まれる中で大会は大成功に終わった。

 旗揚げ第2戦となる今大会の第1試合では、天麗皇希vs石川奈青のシングルマッチが実施。

 石川はデビュー前からの病気や怪我に苦しみ、様々な不運に見舞われながらも“プロレスラー”として生きることに強い誇りを持っている選手。泥水をすするどころか泥まみれになりながらもあがき続けるその姿を応援するファンは多い。
 しかし、マリーゴールド旗揚げ戦のポスターが発表されると、石川はプロレスラー歴が浅いor皆無のアクトレス勢に混ざって下段に小さく配置。アクトレス勢に強い嫉妬心を燃やした石川は旗揚げ戦で青野にイデオロギー闘争を仕掛けるも、試合では結果も内容も完敗を喫していた。

 今回は、旗揚げ戦に続いてアクトレス出身の皇希とのシングル。
 皇希は男装アイドルや舞台俳優として活動。マリーゴールドでも170cmの長身と天性の華で入団時から注目を集めており、ポートレートも皇希だけ別バージョンを用意されるなど団体側の期待も最も高いと言える選手。旗揚げ戦では、格上だった先輩選手を相手に華々しくプロレスラーデビュー戦を勝利で飾っていた。

 そんな皇希に対しても、石川は強く嫉妬。SNS上で「期待されてるか知らないけど、新人のくせにプロレス練習もほとんど出ないで舞台の稽古と告知ばっかりの女優様に花を持たせてあげる気なんか全くない。プロレス舐めんなよ」と宣戦布告を行っていた。


 石川は青コーナー、皇希は赤コーナーと既に“序列”が生まれていることが見て取れるリング上。
 入場時にダンスをして見せる余裕がある皇希に対し、石川は鬼の形相で突撃。「ナメんな!」と雄叫びを上げながら気迫のファイトで攻め込んでいき、必殺のジャーマン・スープレックスを狙う。
 しかし、皇希はこれをダイヤモンドカッターで切り返し、長身を活かした高さのあるスパインバスター。さらに側頭部をビッグブートで貫き、必殺のアメジスト・バタフライ(※旋回式ダイビング・ボディプレス)を決めて3カウントを奪った。

 デビューから2連勝を飾った皇希だが、「ぶっちゃけ試合にはまだ納得いってなくて、悔しさがすごく残っています。Twitterで奈青さんが言ってた“女優様”って思われてもしょうがないのかなって今思ってたんですけど、それがすごい悔しくて。勝ったのに悔しいです。女優でもプロレスラーでも、こうやって兼業するって決めたから。だからこそそういう風に思われても、自分が信じた道をこれから進んでいくんだって、改めて決意をしました」とモヤモヤを溜めている様子でコメント。

 一方、石川は「自分自身に悔しいっていうか、努力って報われないんだなっていうか。まあ報われなきゃ努力じゃなかったんだなっていうのが自分の中で大きいですね。自分が練習してたとしてもこれで結局結果に出してないと意味がないので。そもそもなんで私が青コーナーだったのかわからないですけど!デビュー二戦目であんな踊ってる余裕とかもあって、そういうのも才能なんじゃないですか?自分にはないものなので、マリーゴールドでもっともっと輝いていったらいいんじゃないかと思います。自分は自分のできることをもっともっと頑張ろうって思いました」とジェラシーを滾らせながらも皇希のポテンシャルを認めた。


 大会エンディングでは、野崎渚が「SNS見たらすげー強気な発言してて、どんなもんかなと思ってたけど今日も元アクトレスの子に負けたんだろ?お前さあ、こんなんでいいの?」と石川に発破をかけ、6月11日の後楽園ホール大会でのシングルマッチを要求。
 なにかを言い返そうとリングに上がろうとする石川だったが、野崎に「上がってこなくていい」と言われると素直に応じる。これを受け、野崎は「『来なくていい』って言われたら、普通来るよね?」と苦笑。
 様々な試練が降りかかる石川の真価はこれから問われていくことになりそうだ。