◇4日 春季高校野球滋賀県大会準決勝 滋賀学園7―1比叡山(大津市・マイネットスタジアム皇子山)

 プロ注目の岩井天史遊撃手(3年)を擁する滋賀学園は17安打で7点を奪い、近江との決勝に進出した。

 山口達也監督は1失点完投した脇本耀士投手をたたえた後、「(飛ばない新基準の金属製)バットに変わったから、と言われたくなかった。しっかり対応できていて夏にはもっと上がってくると思います」と攻撃力にも手応えをつかむ。

 3番を任される岩井は5打数2安打、1打点。前日の試合で腰を痛めたそうだが、この日の朝には痛みがなかったため、山口監督に出場を志願。「スタメンではずっと出たいというのがあったので」と岩井は言う。5点リードで迎えた4回の2死三塁で右前へ適時打を放った。

 愛知県岡崎市出身の岩井は184センチ、72キロの右投げ左打ち。50メートル走は6秒1で、遠投は115メートルの強肩だ。投手を兼務していた昨秋には最速142キロを計測。1年秋から背番号「6」をつけており、昨年、山口監督から「プロを狙ってもいいんじゃないかと言われて、プロを意識するようになりました」と話す。まだ細身のため、名城大でプレーする兄からは、連絡があるたびに「体を大きくしろ」と言われているそうだ。

 この日ネット裏ではDeNA、阪神などプロ野球4球団のスカウトが視察していた。最後の夏に向けて帽子のつば裏に記した「恩返し」を志す。「親や関わってくださった方に、甲子園へ行って恩返しをしたいので、そう(仲間に)書いてもらいました」。その目標を果たすには、春の決勝で当たる近江が立ちはだかる。夏の前哨戦へ「自分たちのプレーが出せたら勝てると思っています」と自信をのぞかせた。