ボクシング・大橋ジムの大橋秀行会長(59)が22日、同ジムに所属する世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)が9月に予定している次戦の対戦相手として最有力だったIBF・WBO同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)が9月の対戦を回避しようとしている状況だと明かした。18戦全勝(6KO)のグッドマンは6日、井上尚の東京ドーム防衛戦後のリングに上がり、対戦をアピールしていた。

 「渋っている。指名試合なのに。7月にノンタイトルをやるから12月にしたいと」と大橋会長。そこで、浮上するのはWBO2位に浮上した元IBF同級王者T・Jドヘニー(アイルランド)だ。26勝(20KO)4敗で、ここ3試合は連続で大橋ジム興行に出場。全てKO勝ちを収めた。また、6日の東京ドームの際には井上尚の対戦相手だったルイス・ネリ(メキシコ)にトラブルがあった場合は代役として出場するという条件ものんで来日した。

 「これだけやってくれた分、という気持ちはある」と大橋会長。勇敢な強打者で、井上尚戦には誰よりも意欲的。対戦となればスリリングな試合になることは確実だ。

 グッドマンが9月の対戦をのむ可能性もあり、次戦の行方はまだまだ不透明。しかし、今後は指名試合が重なったり、今回のように指名試合の対象者が対戦に消極的になる場合もあり得るため、大橋会長は「一度全部集めているんだから、究極的には4本のベルトを持ち続けることにはこだわらなくてもいい」という姿勢を示していた。