◇22日 サッカー YBCルヴァン杯1次ラウンド3回戦 鳥栖1―1(PK4―5)FC東京(駅前不動産スタジアム)

 試合前日の21日に37歳のバースデーを迎えたFC東京の「闘将」がチームを16強へと導いた。後半11分、右CKから原川が上げたボールをニアで合わせたのはDF森重真人だった。ボールがゴールに吸い込まれるようにして入ると、敵地に詰めかけたサポーターの前で雄たけびを上げた。

 「もう、ベテランの意地。得点は気合です」

 37歳初ゴールの喜びを語った森重。ここ数試合は苦しんできた。J1第13節・柏戦の前半終了間際に自陣でボールを失って、カバーに入ったGK波多野が退場。数的不利となった後半に同点に追いつかれて悔しいドローとなった。さらに、続く名古屋戦でPKを献上。苦難の時が重なった。

 「コンディションは良かったけど一つのミスでチームに迷惑を掛けた。もう一度気を引き締め直し、このルヴァン杯がスタートだと思っていた。いい内容といい結果を得られたと思う」

 この日は守備でも体を張り、攻守で高いパフォーマンスを見せ続けた。試合終了間際に同点に追いつかれて延長を含む120分間を戦い抜き、PK戦でも1人目でしっかりとネットを揺らした。

 「37歳になって、120分やるとは思わなかった」と苦笑いする森重だが、「いい経験ですね。(PKの1人目は)オレが一番驚いた。大志が止めてくれたので勝てたことが何よりも良かった」と勝利を振り返り、「結果を残さないと生き残れない世界。リバウンドメンタリティーがしっかりと出せた」。トレードマークであるえくぼをつくった。