◇24日 中日2−5ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)

 中日は24日、バンテリンドームナゴヤでヤクルトと対戦した。打線は5回までサイスニードにわずか1安打に抑えられたが、6回から反撃を開始。7回には木下拓哉捕手(32)の中前適時打で1点差とし、8回には細川成也外野手(25)の右越え適時二塁打で追いついた。

 土壇場で試合を振り出しに戻したのは、細川のバットだった。1点を追う8回1死一塁。1ボール2ストライクからヤクルト・木沢の外角高めのカットボールにバットを合わせる。芯を食った打球はぐんぐんと伸び、右翼フェンスを直撃。一走・福永が一気に本塁を駆け抜け、追い付いた。

 「追い込まれていましたけど、甘い球を打ち損じすることなく仕留めることができました。福永さんがよく走ってくれました」とコメントした。

 一時は同点に追い付く一打で今季27打点目を挙げ、ヤクルトのオスナに並ぶリーグトップに躍り出た。3点を追う延長10回にも左前打を放ち、今季18試合目のマルチ安打をマーク。53安打は両リーグを通じて最多。さらに打率3割3厘、8本塁打はともにリーグ2位につける。

 打撃各部門に軒並み顔を出すことができるのは、休まずに試合に出続けるからだ。ここまでチームが戦った45試合で唯一、全試合でスタメンに名を連ねているのは細川ひとり。「使ってもらっているので、しっかりとプレーできるように努めています」と準備は怠らない。

 本拠地開催の際は、デーゲームでもナイターでも試合後のスイングルームでスイングを確認。厳しい攻めで狂わされた打撃はその日のうちに微調整する。さらに球場の風呂場で暖かいお湯と冷たい水に交互に入る交代浴で疲労回復に努める。球団が用意してくれる食事を胃袋に入れ、帰路に就くころには試合が終了してから2時間が経過していることも。最後に球場を後にするのは見慣れた光景だ。「その日のうちにできることはしておきたい」。状態を整えた上で翌日を迎えている。