将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=に豊島将之九段(34)が挑戦する第82期名人戦7番勝負第5局は26日、北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで1日目の対局が行われ、先手の藤井名人が定刻の午後6時30分を2分ほど過ぎて47手目を封じた。2日制持ち時間9時間のうち、1日目の消費は藤井名人が3時間57分、豊島九段は4時間11分。

 豊島九段が16手目に8筋の飛を4筋に動かす、シリーズ初の振り飛車を採用。第4局で初勝利を挙げた豊島九段が勝負手で逆襲に挑んだ。藤井名人も35手目に、玉を1段上がった9筋の香車の下に潜り込む穴熊の堅陣に構えて相手の攻撃に備えた。その後は藤井名人が41手目に46分、豊島九段が44手目に78分、46手目に48分とじっくり考える展開となり、本格的な戦いは2日目に持ち越された。本局は27日午前9時に指し継がれ、同日夜に決着の見込み。

 両者は過去37局対戦し、藤井名人の25勝12敗。藤井名人がプロデビューした直後は豊島九段が6連勝、最近は藤井名人が12連勝していたが、本棋戦第4局で豊島九段が連敗を止めた。トル戦では5度目の顔合わせで過去は藤井名人が番勝負4連勝。叡王、竜王を獲得、王位を2度防衛している。藤井名人は第4局に敗れストレート防衛は逃したが、本局に勝てば名人戦初防衛、タイトル戦初挑戦からの22連覇を達成する。また藤井名人は伊藤匠七段(21)を挑戦者に迎え1勝2敗とかど番となっている第8期叡王戦5番勝負第4局を31日に控えている。