◇26日 大相撲夏場所千秋楽(東京・両国国技館)

 角界の超新星が快挙をやってのけた。単独トップで迎えた新小結大の里(23)=二所ノ関=が関脇阿炎を押し出し、12勝3敗で初優勝を果たした。初土俵から7場所目の賜杯獲得は最速で、新三役の優勝は67年ぶり。初の殊勲賞と2度目の技能賞にも輝き、新入幕から3場所連続の三賞受賞は25年ぶりだ。7月14日に始まる名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)では新関脇として準ご当所の土俵に上がる。

 大の里の歴史的Vを、家族が実家の石川県津幡町から駆け付けて見届けた。幼少期に指導した父・中村知幸さん(48)は、初黒星を喫した2日目の高安戦で大の里が足首を痛めていたことを明かし、休場の可能性を尋ねると「そんなことは思ったことない」。場所中のやり取りを振り返り「自分を信じる力が、彼の強み」と声を震わせた。

 母朋子さん(48)は、初日と千秋楽に東京屈指のパワースポットとして知られる小網神社(東京都中央区)にお参りし、必勝を祈願したという。賜杯を手にした息子の勇姿に「頼もしい。わが子じゃないみたい」と感慨深げだった。