『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』などを手掛け、『君たちはどう生きるか』でアカデミー賞を獲得したスタジオジブリが、南フランスで開催中の第77回カンヌ国際映画祭で名誉パルムドールを授与された。個人ではなくスタジオに贈られるのはこれが初めて。

 映画祭によると、現地時間5月20日リュミエール大劇場で授与式が行われ、スタジオジブリのクリエイティブ部門トップで、共同創始者である宮崎駿の長男の宮崎吾郎が登壇。『雪山の絆』『怪物はささやく』の監督で、ジブリ作品の大ファンでもあるというフアン・アントニオ・バヨナからトロフィーを手渡されたそうだ。

 名誉パルムドールは、監督や俳優に贈られる賞で、スタジオとしての受賞は史上初の快挙となる。映画祭のディレクター、ティエリー・フレモーは「我々が今日ここに集まっているのは、この日本のアニメーションに夢中だからです」と紹介。「私とアイリス・ノブロックは史上初めて、名誉パルムドールをクリエイター個人ではなくスタジオに贈る決断をしました。スタジオジブリに贈ります! なんというスタジオでしょう!」と称えたという。

 トロフィーを受け取った宮崎は、「『君たちはどう生きるか』でオスカーを受賞した際、トロフィーが箱に入っていなかったため、僕らの代表はホテルのタオルに包んで持ち帰らなければいけませんでした。パルムドールがきちんと収められていて嬉しいです!」とジョークを交えてコメント。スタジオのチームとファンに感謝を捧げたそうだ。

 授賞式では感謝の印として、日本国外で未公開の作品を含む短編映画4作品「めいとねこバス」と「やどさがし」、「パン種とタマゴ姫」、「毛虫のボロ」を上映した。