「阪神1−2巨人」(26日、甲子園球場)

 阪神はまさかの逆転負けを喫した。0−1で迎えた九回にゲラが岡本和に同点弾を浴びると、十回は岩崎が丸に決勝犠飛を許した。ダブルストッパーが相次いで失点し、巨人にカード負け越しを喫した。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏はゲラの被弾について「不用意な1球。浜風が強く、外寄りの攻めに徹していれば」と指摘した。

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 勝利の目前の九回にゲラが岡本和に浴びた同点アーチ。初球の真ん中真っすぐを左中間スタンドに持っていかれた。1点リードで、打席には4番打者。最も避けなければいけないのがホームランを打たれることだけに、不用意な1球となった。

 この日は右から左への浜風が強かった。六回の木浪の完璧な当たりがフェンスのかなり手前で失速したように、右方向への打球はことごとく風で押し戻されていた。だから右打者の岡本和に対しては外寄りの攻めに徹し、例えばスライダーなどを使っておけば、安打は打たれても、本塁打を浴びる危険性は極めて低かった。バッテリーに慎重さが足りなかった。

 先発・才木がほぼ完璧な投球を見せ、八回のピンチも一人一殺の継投策が決まって、ここまでは計算通りだったが、4番のひと振りでガラッと空気が変わった。岩崎もいい時に比べるとやや球のキレを欠いており、ストライク先行でテンポよく攻めていく投球ができていないように見える。

 阪神としてはゲラ、岩崎という勝ちパターンを締めくくる2人が、ともに点を取られてしまったのだから勝てなかったのは仕方がない。ライバルの巨人に勝ち越し、気分よく交流戦に臨みたいところだっただけに後味の悪い敗戦になった。