株取引の基本単位は100株のため、投資に必要な額は1株およそ4700円のオリエンタルランド <4661> (東京ディズニーリゾート運営)なら約47万円、1株7500円の任天堂 <7974> の場合は約75万円必要と思われがちですが、100株買わなくても、それこそ1株買って株主になれます。

これは「単元未満株」というもので、SBI証券ではS株、楽天証券はかぶミニ、マネックス証券ならワン株など、サービス名は異なるものの大手ネット証券で買えます。少額で有名企業の株を売買できる単元未満株取引の特徴や注意点は、以下の通りです。

■特徴1 配当はもらえるが株主優待はもらえないことが多い

単元未満株でも、配当金はもらえますが、株主優待は100株以上を条件とする企業が多く、もらえないことが多いようです。

配当金は「1株あたりいくら」で決まるため、たとえば配当が1株5円であれば、1単元(100株)持っている株主には500円が、1株だけ持っている株主には5円の配当が出ます。

一方、株主優待は単元株以上を対象としている企業が多いため、優待目的ならば単元株取引のほうが良いでしょう。

ただし、上新電機<8173> や京セラ <6971> のように1株でも優待を行っている企業もあります。

■特徴2 NISAでも単元未満株は買える

単元未満株はNISA口座でも買えます。投資信託ではなく株式なので、「成長投資枠」を使います。

■特徴3 手数料体系が単元株より割高になることもある

単元未満株の取引は、証券会社や取引コースによっては、100株以上(単元株)の取引より“割高”になることがあるので注意が必要です。

SBI証券や楽天証券(リアルタイム取引除く)など、単元未満株取引が手数料無料のところもありますが、すべてのネット証券が手数料無料にはしていません。

たとえば、あるネット証券は、株式の取引手数料で「1日定額手数料コース」を選べば、なら1日の約定代金100万円以下まで手数料が無料になりますが、単元未満株はその対象ではないので、手数料として約定代金の0.55%(最低52円)がかかります。

■特徴4 いつでも即時で売買できるわけではない

通常単元未満株は、取引時間中ならいつでも好きなタイミングで取引できるわけではなく、基本的には、各証券会社が決めたタイミングで取引されます(単元未満株のリアルタイム取引ができる証券会社もあります。)。

たとえばマネックス証券の場合、午前11時30分までに注文すると、後場(東証の午後の取引時間)の始値で約定します(約定結果は午後3時40分ごろ反映)。注文から約定までに時間が空くため、考えていた値段と大きく差がつくことがあります。

文・浜崎遥翔(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部