おさまる気配の見えない円安と物価高が、思わぬところにも影を落としています。危機感を募らせる現場を取材しました。

■100円ショップに“異変”

15日も経済界のトップから懸念の声が上がりました。

みずほFG 木原正裕社長
「中堅中小には、この円安は相当苦しい、きついと思います。やはり円高方向に行ってもらいたい」

再び加速する“歴史的な円安”。厳しい経営を強いられているのが、街の100円ショップです。

100円ショップ越後屋 坂井一彦店長
「原価が95円前後で、5円ぐらいの利益。厳しいですね」

値段は100円。しかし、仕入れ値がそれを超えるものもあるといいます。

100円ショップ越後屋 坂井一彦店長
「この辺からずっとレトルトカレーだったが、急激な(仕入れ値の)値上がりで、雑貨を置いて穴埋めしています。うちも(閉店を)考えなければいけない」

実際にこんな試算があります。円安が1円進むと、食費など家計の負担は1人暮らしで約3300円増え、4人家族になると6000円増えるといいます。

■“物価高”で寄付が3割減

生活に困っている人に食料品を無料で支給する『フードバンク』。物資の大半は一般の人からの寄付で成り立っています。15日に仕分け作業が行われていましたが…。

ボランティアスタッフ
「(物資の)量は減っている。感覚的には半分以下」

去年3月に撮影された写真では、倉庫は一面が物資で埋め尽くしていますが、今はガランとしています。

NPO法人フードバンク山梨 米山けい子理事長
「食品が保管されている倉庫ですが、昨年と比べて中が上の段もガラガラですし」
「一般の人の生活自体も、円安や物価高騰などの影響で非常に苦しくなっている。なかなか寄付までつながらない」

企業からの支援は減っていませんが、食費が上がったことで、一般家庭が寄付に回せる余裕がなくなったのではないかと話します。実際に、先月の寄付は去年に比べて3割以上減っています。その一方で、支援を受ける人は増えていて、物資不足に拍車をかけているといいます。

NPO法人フードバンク山梨 米山けい子理事長
「円安や物価高騰の影響を受けている弱い立場の方々が、非常に厳しい状況にさらになってしまっているので、分配を弱い立場の方々にも回していただきたい」