庭や生垣のある家庭にとって、植栽、庭木の剪定を業者に頼むか自分でやるかは、頭の痛い問題かもしれないが、その費用差は1回であればさほどでなくても、数年分ともなると9万円以上になるかもしれない。どちらにいくらの費用がかかるのか、3年間のコストを比べてみた(文中価格は税抜き)。

■庭木の剪定を業者に頼むと費用は3年間で10万円も

剪定業者の料金体系は、大きく職人の“日当制”と作業内容による“単価制”の2つがあるようだ。

“日当制”だと職人1人、半日で1万5000円、1日だと2万5000円〜3万円辺りが相場だ。

“単価制”では作業の内容と量によって料金が変わる。まず庭木の場合だと木の高さによって料金が設定されており、高さ3メートル未満の低木は2500円〜5000円、中木(高さ3〜5メートル未満)で6000円〜1万円、高木(高さ5〜7メートル未満)が1万6000円〜2万5000円、それ以上の高さになると個別見積りになるのが多いようだ。

日当制にしろ、単価制にしろ、こうした作業費だけでなく、出たゴミの処理代や剪定後の消毒代、ガソリン代などの諸経費がかかる。

相場は、ゴミ処理代が軽トラ1台分3000円〜8000円ほど、消毒代が庭木1本1000円から。諸経費は3000円が最低料金となっている業者もある。

もし職人1人に1日作業で庭木3本を剪定、消毒してもらい、ゴミを引き取ってもらったとすると、合計費用は3万4000円になる(作業費2万5000円+ゴミ処理代3000円+消毒代3000円+諸経費3000円)。

1年に1回剪定を頼んだとすれば、3年間の費用は10万2000円だ。

次に生垣の剪定だが、こちらは高さと幅で料金が決められている場合が多く、5平方メートルの生垣であれば高さ1メートルで2000円〜4000円、1〜2メートル未満なら4000円〜7000円、2〜3メートルで6000円〜1万円、3メートル以上は個別見積りが相場となっている。

これに庭木と同じようにゴミ処理代や諸経費が加わるが、相場は消毒代が1メートルあたり500円ほどのようだ。

もし高さ2メートル、幅5平方メートルの生垣を剪定してもらうとすると、作業費6000円に上記の別途費用、さらには消毒代1000円が加わり1万3000円という計算になる。(作業費6000円+ゴミ処理代3000円+消毒代1000円+諸経費3000円)

年1回の剪定ならば3年間の費用は3万9000円だ。

植込みの剪定料金は高さ1メートル未満、幅5平方メートルを例にとると2000円〜4000円が相場なので、このサイズの植込みを剪定してもらうと料金は8000円ほどになると見込まれる。(作業費2000円+ゴミ処理代3000円+諸経費3000円)

毎年1回頼んだとすると3年間で2万4000円になる。

■自分で剪定すれば費用は1万円で済むかも……

自分で剪定をするとなると専用の道具が必要になるが、たとえば庭木の剪定であれば剪定バサミや剪定ノコギリ、高い枝があるなら高枝切りバサミはそろえたいところだ。

どの道具も料金には差があるが、剪定バサミだと2000円〜3500円ほど、剪定ノコギリが2000円くらい、高枝切りバサミは5000円〜1万5000円ほどで売っている。(文中価格は税込み)

この他に道具入れやゴーグル、手袋もあったほうがいいが、道具入れは1200円〜1800円ほど、ゴーグルと手袋はそれぞれ500円ほどで買えるので、これらの合計は2000円〜3000円になる。

したがって庭木の剪定に必要な道具代は1万円〜2万5000円ほどをみておけばいいだろう。

ただし高さが3メートル以上あったり、電線の近くにあったりする庭木は無理せず専門業者に頼んだほうが安全だ。

生垣や植込みの剪定では植木バサミや刈込バサミがあると便利だが、植木バサミの値段は3000円〜4000円で刈込バサミは1500円〜6000円ほどが相場になっている。

これらに道具入れとゴーグル、手袋も加えると、道具代の合計は6500円〜1万3000円ほどになる。

こうした道具は乱暴に扱わない限り3年以上使い続けられるので、剪定を業者に頼んだ場合と自分で行ったときの3年間の費用差は、庭木の場合で7万7000〜9万2000円。生垣なら2万6000〜3万2500円、植込みだと1万1000〜1万7500円という計算になる。

■剪定業者に頼んだ場合でも費用は節約できる

自分で剪定をすればコストを抑えられるのは当然だが、専門業者に頼んだ場合でも費用を節約する方法がある。

剪定によって出たゴミ処理を自分でやれば、その分の費用3000円〜8000円ほどを節約できる。

消毒も自分で行えばその分の費用が浮くだろう。市販の消毒薬は1000円ほどで買える。

自宅から遠い業者に頼むと出張費用やガソリン代がかさんでしまうので、できるだけ家から近い業者に頼んだほうが諸経費を減らせる。

剪定のほかに除草や芝生の刈込みなどもあるなら、まとめて頼んだほうが安く済むだろう。

また業者を選ぶ時に3社以上から見積をとると節約できる経費が見えてくるかもしれない。

たとえば消毒代の単価一つとっても庭木1本1000円の業者もあれば、1本3000円の業者もある。庭木が3本あったとしたら、その差は6000円だ。庭木の多い家庭であれば消毒代の安い業者を選んだほうが節約できるだろう。

植栽の剪定は労力をかけるほど費用を節約できるが、どこまでできるかは各家庭によって違う。費用をかけるか、労力をかけるか、あるいは節約するか、家庭に合った剪定方法を検討してみるとよいだろう。

植栽を放置しておくと、見た目がよくないだけでなく、隣の敷地にはみだしたり、視界を遮ったりと、近隣に迷惑がかかることもある。費用か労力がかかることではあるが、メンテナンスはおこなっておきたいところだ。

文/編集・dメニューマネー編集部