PGAツアー「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」で自己最高の9位タイに入った蝉川泰果。どんなセッティングで戦っているのでしょうか。

「ブループリント」は2モデルのロフトを揃えていてコンボしやすい

 今季は海外ツアーに積極的に出場している蝉川泰果が、5月1週のPGAツアー「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」で自己最高の9位タイに入りました。そのセッティングを調べるとドライバーでは調整機能をうまく活用し、アイアンでは3モデルのコンボセットにしていることが分かりました。

3種のアイアンをコンボセットにしている蝉川泰果 写真:Getty Images
3種のアイアンをコンボセットにしている蝉川泰果 写真:Getty Images

 小学校5年生からピンのクラブを使っていた蝉川は、2022年にアマチュアとして日本オープンを制する快挙を達成し、23年1月から正式にピンとクラブ契約を結びました。

 22年日本オープンでアマチュア史上初となるツアー2勝目を挙げた頃から、ドライバーは「G430 LST」を使い続けていますが、このドライバーについて次のように語っていました。

「もともと僕自身はスピン量が多かったので、ロースピンタイプのモデルしか使ってきませんでした。『G430 LST』はスピンが少ないのに直進性が高い。そこが気に入っています」

 ドライバーのロフトは9度ですが、調整機能を使ってロフトを8度にしつつ、ライ角をフラットにしています。その理由を聞くと、

「試合でしっかり叩いたときに左に行くのが嫌なんです。だから、絶対に左には行かないようなスペックにした上で思い切り叩けるようにしています」

 もう一つ、ドライバーで注目したいのはシャフトです。昨年後半から今年2月まではタイガー・ウッズも使っているグラファイトデザインの「ツアーAD VF」を使っていましたが、4月の試合から「テンセイプロ オレンジ1K」にスイッチ。このシャフトは昨年の前半まで使っていたシャフトです。

 今シーズンはアイアンセットも変更しています。昨年まで4番アイアンからPWまで「ブループリント(2021)」アイアンで揃えていましたが、今年は4番から7番アイアンは「ブループリントS」、8番からPWは「ブループリントT」。3番アイアンは「i525」を使っているので、アイアンは3モデルのコンボセットになっています。

「ブループリント」が2モデル展開になったのは2024年モデルから。「ブループリントT」は王道のマッスルバック形状ですが、「ブループリントS」は寛容性と操作性を融合したキャビティー構造に近いヘッド。「T」と「S」はロフト設定が揃えてあるので、2モデルを組み合わせやすくなっているのも特徴です。

 ウェッジも昨年までは3本とも「グライド4.0」を使っていましたが、今年は60度だけ新モデルの「s159」にしています。

 小学生からピンのクラブを使い続けている蝉川は、アイアンやウェッジをコンボセットにしても流れの良いセッティングにするコツを知っているのでしょう。

2024 蝉川泰果の最新セッティング

1W:ピン G430 LST(ロフト/8度 シャフト/テンセイプロオレンジ1K 60-TX)3W:テーラーメイド Qi10(ロフト/15度)3I:ピン i5254I-7I:ピン ブループリントS(シャフト/N.S.プロモーダス3 プロト))8I-W:ピン ブループリントT(シャフト/N.S.プロモーダス3 プロト)AW、SW:ピン グライド4.0(ロフト/50度、56度 シャフト/N.S.プロモーダス3 ツアー125) LW:ピン s159(ロフト/60度 シャフト/N.S.プロモーダス3 ツアー125)) パター:PLD ミルド アンサー

野中真一