2023年10月に発売されたUSTマミヤのカスタムシャフト「LIN-Q(リンク)BLUE EX」。逆輸入シャフトということもありハードヒッター向けだと思われがちですが、アベレージゴルファーも使いこなせるのでしょうか。ゴルフイラストレーターの野村タケオさんが試打してくれました。

高級な素材をふんだんに使っている「LIN-Q(リンク)BLUE EX」

 みなさんこんにちは、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。USTマミヤさんのシャフトといえば、まず思い浮かぶのが「ATTAS」シリーズです。

 ちょっとひねったネーミングが面白いし、プロの使用率も高い高性能シャフトです。しかしそんなUSTマミヤさんから新しいシリーズのシャフトが発売になりました。

 なんでもアメリカで販売されていたシャフトの逆輸入バージョンなのだとか。いったいどんなシャフトなのか、コースに持ち込んで試打してみました。

ややハードヒッター向けといわれる「LIN-Q(リンク)BLUE EX」を野村タケオさんが試打
ややハードヒッター向けといわれる「LIN-Q(リンク)BLUE EX」を野村タケオさんが試打

 USTマミヤの新しいシャフト、それが「LIN-Q(リンク)BLUE EX」です。そもそも「LIN-Q」は、米国男子ツアーの選手に向けて開発されたアメリカ生まれのブランドで、リッキー・ファウラーがフェアウェイウッドにいれて復活優勝を遂げるなど、アメリカでもかなり注目が高いようです。

 しかし今回の「LIN-Q BLUE EX」は日本向けに多少味つけを変えてあると聞きました。ただ、それでもATTASシリーズよりハードめで、アスリート志向のハードヒッター向けに作られているようです。

「LIN-Q BLUE EX」は、高強度・高弾性かつ超低重量な「トレカT1100G」をシャフト全長に採用し、先端には「トレカM40X」を使うなど、高性能な素材がふんだんに使われています。

 さらにUSTマミヤが独自の配合で作り上げた「Q・Ply Core」を用いることで、シャフトが“つぶれずにしなる“ことで、ヘッドのスピード感を生み出しているということです。

中弾道・低スピンの強くて曲がらない球が打てる

 僕が今回試打したのは「LIN-Q BLUE EX」の「5S」。重量が58グラムでトルク3.4の中元調子ということです。ヘッドはテーラーメイドのQi10 LS(9度)を使いました。

 まずコスメですが、黒ベースに白系の幾何学模様のようなデザインに、差し色でブルーが入っている感じ。デザイン的にはアメリカのシャフトっぽさがありますね。ATTASシリーズとはあきらかに違うデザインです。

試打は「LIN-Q BLUE EX」の「5S」、58グラムでトルク3.4の中元調子というスペック。ヘッドはテーラーメイドのQi10 LS(9度)
試打は「LIN-Q BLUE EX」の「5S」、58グラムでトルク3.4の中元調子というスペック。ヘッドはテーラーメイドのQi10 LS(9度)

 打ってみると、切り返しのときに手元よりの部分に少しだけ粘るようなしなりを感じます。僕はこのしなりのおかげでタイミングが取りやすかったです。ただ、しなりは大きくないですね。

 そしてハーフウェイダウン辺りからインパクトまで、けっこうなスピード感があります。しかし中間から先端部分のしなりはあまり感じません。インパクト以降もそのまま気持ちよくフィニッシュまで振り切れる感覚がありました。

 パリパリのハリ感などは感じませんが、弾性の高い素材が使われている感覚はあります。インパクトでは弾くというよりも、少し強く押してくれるような感覚で、厚い当たりが出やすく感じました。

黒ベースに白系の幾何学模様のようなデザインに、差し色でブルーが入っているコスメが特徴的
黒ベースに白系の幾何学模様のようなデザインに、差し色でブルーが入っているコスメが特徴的

 弾道はあまり高くなく、スピン量がけっこう少ない球が出ます。つかまりはよいとはいえませんが、決してつかまらないシャフトではないですね。

 先端がシッカリしているので、左に巻くような球は出にくそうなので、叩いていってもあまり左は気にしなくてよさそうです。僕は少しボールを左において、アッパーに捉えて中高弾道の球を打っているのですが、それでも左には行かないし、方向性もいいので、思いどおりにコントロールしやすいシャフトだと思います。

 方向性はかなりいいですね。先端の硬さとトルクが絞ってあることで、あまり球がバラけません。オフセンターヒットでもヘッドのブレが少なめで、しっかりとボールを押してくれている感覚がありました。

50グラム台であればアベレージゴルファーでも使いこなせる

 スペック的には僕(ヘッドスピード41〜42メートル/秒)で5Sはちょうどいいかな〜、という感じ。これが60グラム台になると重量アップはもちろん、トルクも2.9まで絞られるので、かなりハードに感じそうです。

 ヘッドスピードが速い人、パワーのある人は60グラム台のほうがいいかもしれませんね。

ハードヒッター向けに作られた「LIN-Q(リンク)BLUE EX」ですが、スペックさえ選べばそこまでパワーがなくても使いこなせる
ハードヒッター向けに作られた「LIN-Q(リンク)BLUE EX」ですが、スペックさえ選べばそこまでパワーがなくても使いこなせる

「LIN-Q BLUE EX」は比較的ハードヒッター向けに作られたもののようですが、スペックさえ選べばそこまでパワーがなくても使いこなせそう。叩けば叩くほど飛びそうなシャフトですが、それでも方向性が犠牲になりにくくできていると思います。

 JLPGAツアーでリ・ハナプロが、ステップアップツアーでは小林夢果プロが使用して優勝しています。プロの実績も十分なシャフトを一度ためしてみてはいかがでしょうか。

野村 タケオ