旅行にしていくならどんな時計か? スマートフォンひとつあれば世界各地の時間がひと目でわかる時代だからこそ、エンジン時計委員会はあえてアナログのトラベルウォッチに注目。7本目の今回は、旅時計の代名詞、ジャガー・ルクルトのレベルソを取り上げる。


30年の歴史を持つ旅時計の代名詞!「ジャガー・ルクルト」
レベルソ・クラシック・デュオスモールセコンド

「レベルソ」はポロ競技に由来。ストラップに馬具の名門メーカーとコラボしたサドルレザーを採用する。

1990年代前半の発表以来、人気を続ける「デュオ」は、「レベルソ」特有の反転式ケースの表と裏にダイアルを装備し、それぞれ別の時間に設定が可能。時差のある地域に旅行した場合は、表(右写真の右の状態)を現地のローカルタイム表示、裏(同左の状態)を出発点のホームタイム表示(24時間式のデイ/ナイト表示付き)に利用できる。手巻き。ステンレススティール、ケース縦42.9mm×横25.5mm、3気圧防水。190万9600円。


「想い出を時計に託して」野上亜紀

海外出張で欠かせないのが、日本とのやりとり。そんなときにはやはりGMTが重宝するが、この時計は裏を返すだけでよいというシンプルな構造が実に好ましい(面倒くさがりなので……)。かつ、表と裏の二刀流が出張中の限られた装いにも役立ってくれるのである。旅情をさらに盛り上げるのがカーフストラップ。使い込むうちに変わるその風合いに、旅の想い出を馳せたい。




「ケースを反転させて“脱・日常!”」数藤健(エンジン編集部)

旅の目的のひとつは「脱・日常」だ。出発前の空港でデュオの片面をローカルタイムに設定。目的地の空港に降り立ったら、ほどよい重みの質感高いケースをパタン、カチリと反転させてニッポンのあれこれは一時、忘れる。気持ちを切り替えたい、メリハリを利かせたい向きにはピッタリだ。黒文字盤と白文字盤の両方が愉しめるのもいい。永遠のロング&ベストセラーをいつか手に入れたい。

(ENGINE2024年5月号)