2023年度の決算で日本企業としては初めて営業利益が5兆円の大台を超えたトヨタは、電気自動車=バッテリーEV(BEV)や知能化(AI)などへの投資を増やし、好調なハイブリッド車で稼いだ利益や円安で受けた恩恵を振り分ける構えだ。

bZ3CとbZ3Xをワールドプレミア

北京モーターショー2024でもトヨタは知能化や電動化、多様化を軸に、モビリティカンパニーへの変革に向けた中国での取り組みを発表。全方位戦略であるマルチパスウェイを通じたカーボンニュートラルの実現に向けて、BEVの新型車「bZ3C」と「bZ3X」をワールドプレミアした。

1年以内に中国で発売

「bZ3C」と「bZ3X」は、上海国際モーターショー2023でお披露目されたコンセプトカー、「bZスポーツ・クロスオーバー・コンセプト」(Sport Crossover Concept)、「bZフレックススペース・コンセプト」(FlexSpace Concept)の市販バージョン。どちらのモデルは、今後1年以内に中国での発売が予定されている。

bZスポーツ・クロスオーバー・コンセプトの市販版となるbZ3Cは、トヨタと、BYDトヨタEVテクノロジー・カンパニー、一汽トヨタ自動車、中国のトヨタ知能電動車研究開発センター(IEM by TOYOTA)が共同開発し、リブ―ド(Reboot)をコンセプトに、アクティブで象徴的なスタイリングを採用されたSUVクーペのBEVで、Z世代向けのパーソナルな空間を享受できる機能が追求されている。

ファミリー向けSUV

bZ3XはbZフレックススペース・コンセプトの量産型で、トヨタと広州汽車集団、広汽トヨタ自動車、IEM by TOYOTAが共同開発。心地が良い動く家を意味するコージー・ホーム(COZY HOME)をコンセプトに掲げ、大空間で快適な居住性を実現したファミリー向けSUVタイプのBEVだ。

両モデルともに最新の運転支援システムやスマートコックピットが搭載され、安全・安心で快適なドライブを楽しめるだけでなく、新しい体験価値を提供するとしている。

トヨタは世界最大のEV市場に成長した中国でシェア低下が伝えられているが、この2台で巻き返しを図る。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)