5月15日に「iPad Pro」および「iPad Air」の新モデルが発売されました。周辺機器としても「Apple Pencil Pro」といった新アイテムが登場しています。

 ここでは、これらの新デバイスについて5つのポイントでおさらいしていきます。

●「Pro」も「Air」も2サイズ展開に

 まず、最上位の「iPad Pro」は11インチモデルと13インチモデルの2サイズ展開に。ボディーには再生アルミニウムが採用され、「シルバー」と「スペースブラック」の2種類のカラーバリエーションが用意されています。

 ポイントはその薄さで、11インチモデルは5.3mm、13インチモデルは5.1mmに。重さも前世代よりも軽くなっています。

 「iPad Air」も11インチと13インチモデルの2サイズが発表されました。カラーバリエーションは「パープル」、「ブルー」、「スペースグレイ」「スターライト」の4色です。先に紹介したiPad Proの仕様と比べてiPad Airの方がやや厚くて重いことも、本世代の特徴でしょう。

●「Pro」はM3を飛ばしてM4チップを搭載

 搭載するプロセッサーは、前世代モデルが「M2」チップであったのに対し、新モデルでは「M4」チップを搭載しました。

 M4は、第2世代の3ナノメートルテクノロジーで設計されており、CPUには最大4つの高性能コアと6つの高効率コアを搭載。さらに、10コアのGPUは「Dynamic Caching」や「ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング」「レイトレーシング」などの新機能もサポートします。

 そのほか、毎秒38兆回の演算処理が可能なNeural Engineも搭載。Final Cut Proのシーン除去マスクなどの機能を活用する際に、より高速な処理が期待できます。

 iPad Proは、Thunderbolt 3/USB 4に対応したUSB Type-Cコネクタを搭載。最大40Gbpsのデータ転送速度をサポートします。またWi-Fiは6Eに対応。

 iPad Airは「M2」チップを搭載。前モデルが「M1」だったので、1世代上がったものの、最上位のProシリーズとは差が開きました。接続に関しては、コネクタはThunderbolt 3/USB 4ではないUSB Type-Cを搭載。Wi-Fi 6Eにはこちらも対応しています。

●「Pro」はUltra Retina XDRディスプレイを初搭載

 新しいiPad Proでは「Ultra Retina XDRディスプレイ」を搭載。2枚のOLEDパネルを使った「タンデムOLEDテクノロジー」によって、1000ニトのフルスクリーン輝度、HDRで1600ニトのピーク輝度に対応します。

 また色や反射に敏感なプロユーザー向けに、Nano-textureガラスのオプションが追加されたこともトピックです。同オプションを選択すると、画質とコントラストを保ちながら周囲の光を拡散させて、映り込みを減らすことができます。

●撮影機器としてのポテンシャルもアップ

 iPad Proのカメラに関しては、新しいアダプティブTrue Toneフラッシュを搭載し、スキャン機能が改良されたことがトピックです。

 カメラアプリで書類を識別させると、影が写り込む場合には、新しいアダプティブフラッシュを使いつつ、即座に複数の写真を撮影し、スキャンをつなぎ合わせるとのこと。また4つのスタジオ品質のマイクを搭載しており、動画撮影時等の音質が向上したことも見逃せません。

 前面のTrueDepthカメラに関しては、配置が横向きで使いやすい位置に変わり、生体認証やビデオ会議での使いやすさがアップしたことがポイントです。

 iPad Airについても、フロントカメラの配置が横向き時に上部に来るように変わり、ビデオ通話時の体験が向上しています。

●「Apple Pencil Pro」など新しい周辺機器に対応

 新たに追加された「Apple Pencil Pro」を使うと、スクイーズ(指でギュッと押す)操作によって、ツールパレットを表示し、切り替える操作が容易に行えます。こちらは、新しいiPad Pro、iPad Airともに対応しています。

 またiPad Pro向けには、「Magic Keyboard」も前モデルより薄く、軽くなったものが用意されています。こちらのカラーバリエーションについては、スペースブラックのアルミニウム製パームレストを備えた「ブラック」と、シルバーのアルミニウム製パームレストを備えた「ホワイト」の2種類が用意されています。

 価格については、iPad Proが16万8800円〜(税込、以下同)であるのに対し、iPad Airは9万8800円〜。今回追加された新機能を鑑みても、プロ向け機材と、汎用機種という棲み分けの傾向がより強くなっている印象があります。買い替えの際には、それぞれの想定用途や予算に応じて、各機種を検討してみましょう