賃貸で生活している人が車の購入を検討する際に、「自分の給料で家や車の費用を賄えるのか」と不安を覚えることも多いのではないでしょうか。   本記事では、家賃6万円のマンションに住んでいて、マイカーとしてヤリスの購入を検討しているケースを想定し、コストパフォーマンスはどうなのか解説します。

ヤリスのミドルモデルを買うにはいくら必要?

トヨタのヤリスは人気車種の1つで複数のモデルが用意されています。バランスよくニーズを満たすミドルモデルのGクラスもガソリン車とハイブリッド車があり、装備や性能によって金額に幅があります。
 
例えば、「G(ハイブリッド車 1.5L・2WD)」だと車両本体価格は229万9000円(税込)です。ボディーカラーは追加料金が発生しない「マッシブグレー」を選択し、ほかにオプションをつけない場合は、税金や諸費用を合わせて241万3950円となります。
 
上質な装備をそろえた最上位モデルなどに比べると価格は抑えられるものの、それでも初期費用だけで約240万円かかるため、負担は決して小さいとはいえないでしょう。
 

ローンを組んで買うと維持費は増える?

初期費用を現金一括で支払うのは難しいケースも多いでしょう。その場合はマイカーローンを組むことも考えられます。今回は損保ジャパンの「ジャパンダ・ネットマイカーローン」を利用し、次の内容で契約すると仮定します。

●初期費用240万円を全額借り入れる
●返済回数は120回(10年間)
●金利は通常ローン1.5%
●ボーナス返済:なし

シミュレーションすると、毎月の返済額は2万1549円で、総返済額は258万5880円となり、本体ローン返済費用だけでも毎月約2万円の固定費がかかることが分かります。
 
ローン返済費用以外にもマイカーを保有するとガソリン代や駐車場代、車検やオイル交換など定期的なメンテナンス代、自動車税や自動車保険などの維持費がかかります。
 
ソニー損害保険株式会社が2023年に行った全国カーライフ実態調査では、コンパクトカーの1ヶ月あたりの車の平均維持費額は1万3100円となっています。ただし、ソニー損害保険株式会社のデータにおける維持費には自動車税や本体のローン返済、有料道路通行料が含まれていません。
そのため、実際の維持費はローン返済額をのぞいても増える可能性があります。
 

週末利用はコスパ的にどうなのか

車の利用で重要な要素の1つが燃費ですが、例えば「G(ハイブリッド車 1.5L・2WD)」はWLTCモードで理論上「1リットルあたり35.8キロ」走行できます。ここでは燃費は一律で「1リットルあたり30キロ」とすると、「週2日・1日往復30キロ」の利用でガソリンを月間8リットル消費します。
 
レギュラーガソリンの価格は2024年5月20日時点で1リットルあたり174.8円です。これを当てはめると約1400円のガソリン代が発生します。ただし、実際は運転の仕方や走行環境などによってガソリン代は大きく異なることもあります。
 
仮に、ガソリン代も含めた維持費が前記調査の月額1万3100円かかる場合、本体ローン返済額と合わせると約3万5000円の固定費がかかります。車とは別で賃貸マンションに住んでいて家賃が6万円かかっているため、車と家の固定費は合計9万円から10万円程度となります。
 
一般的に手取り金額は額面の75%程度といわれることもありますが、年収400万円だと300万円(月額25万円)です。車と家に関する支払いが月額10万円かかる場合は「手取り収入の4割」を充当している形です。
 
今回はヤリスで「週2日・1日往復30キロ(月間240キロ)」程度利用する想定ですが、毎月3万円前後支払ってマイカーを維持する価値はあるのか判断する必要があります。
 

まとめ

本記事では、年収400万円で家賃6万円のマンションに住みながらヤリスを購入して維持できるのか解説しました。車の維持費は例えば毎月3万円かかる場合は年間で36万円となります。この金額をどう判断するのかは、人それぞれ考え方や価値観が異なるので一概にはいえません。
 
週末だけでなく平日も仕事や買い物などでマイカーを利用する場合は費用対効果が高いかもしれませんが、そうではない場合はカーシェアやレンタカーなどの利用も含めて検討してみてもいいかもしれません。
 

出典

トヨタ自動車 ヤリス 価格・グレード
損保ジャパン マイカーローン・自動車ローン (中古車・新車)
ソニー損害保険株式会社 2023年全国カーライフ実態調査
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー