毎月の支出の中で、住居費が大部分を占めている方もいるでしょう。家賃交渉をして住居費を削減できれば、大きな節約効果が得られる可能性があります。   「借地借家法」の第32条によれば、家賃がほかの賃貸価格と比較して不相当である場合、家賃交渉が可能な場合もあります。   本記事では、家賃交渉をしやすい物件やどのように家賃交渉を行えばよいかについて解説します。入居中の物件の値下げ交渉をしたいという方は、ぜひ参考にしてください。

家賃交渉がしやすい物件の特徴とは

家賃交渉がしやすい物件の特徴は以下の5点です。
 

1.築年数がたっている
2.立地にデメリットがある
3.空室が目立つ、空室の期間が長い
4.家賃が周辺の相場よりも高い
5.設備が古くなっている、使いづらい

 
それぞれについて解説します。
 

1.築年数がたっている

築年数がたっている場合、新築や築浅の物件に比べると内装や外装が古く見える可能性があります。加えて建物自体の老朽化や、設備の古さが目立つようであれば、借り手が現れにくく、交渉がしやすいでしょう。
 

2.立地にデメリットがある

生活をするのに、周辺環境を重視する方も多いでしょう。以下の状況のように、デメリットが多い場合には交渉の余地があるといえます。
 

・駅から遠い
・物件の裏が墓地
・近くに病院があり、救急車がよく通る
・窓側に大きな建物が建ち、日当たりが悪い

 
お住まいのアパートの周辺環境について、あらためて確認してみましょう。
 

3.空室が目立つ、空室の期間が長い

空室が多いということは、入居者が集まっていない状態であるともいえます。入居者が少なくなれば家賃の支払いもその分少なくなるため、大家さんの収入にも直結するでしょう。
 
また、新しく入居者を探す手間やお金もかかるため、既存の入居者が長く住み続けることにメリットを感じる大家さんが多いことも推測されます。住んでいる物件で2〜3ヶ月ほど空室が続くようであれば、交渉を検討してみましょう。
 

4.家賃が周辺の相場よりも高い

周辺の物件相場と比較しながら家賃を設定することが多いようです。そのため、周りの物件と比べて1万円高いというような場合には、家賃の交渉をおすすめします。
 
しかし、中にはデザイナーズマンションや新築の場合など、周りと比べて高い理由が明確な物件もあります。相場は、不動産物件を紹介しているサイトでも確認できます。
 

5.設備が古くなっている、使いづらい

築年数が古いほど家賃は安くなる傾向にありますが、設備の古さも交渉材料の1つになる可能性があります。
 
また、物件によってはエレベーターやオートロック、宅配ボックスなどの便利な設備がなく、入居後に不便さを感じることもあるでしょう。設備が使いにくい物件は不人気となる可能性が高いため、家賃交渉がしやすくなるかもしれません。
 

家賃交渉をうまく行うには?

入居後でも家賃交渉をうまく行い、減額を成功させるには以下の点が重要です。
 
・値下げが必要な理由や根拠を分かりやすく伝える
あらかじめ、周辺の家賃相場や設備の不便さをまとめ、値下げの根拠を分かりやすく伝えられるようにしておきましょう。具体的な根拠があることで、要求が通りやすくなるでしょう。
 
・どのくらいの値下げをしてほしいか明確に伝える
曖昧な伝え方では大家さんを困らせてしまい、交渉がまとまらない場合もあります。1000円〜3000円ほどを目安に交渉するとよいでしょう。
 
・誠実な態度で相談する
人柄により、話を聞いてもらえる確率が左右されることもあります。高圧的な態度ではなく、丁寧に相談することで好印象を持ってもらい、交渉の成功率も上がるでしょう。
 
もし家賃の交渉が承諾されなかった場合には、住み替えで家賃を下げる方法もあります。状況に応じて、適切な方法をとりましょう。
 

入居後の家賃交渉も可能。根拠を持ち、誠実な態度で交渉を行うことが大切

法律に基づき、入居後であっても家賃交渉を行えます。家賃交渉を成功させるためには、周辺施設の下調べやどのような点で不便を感じているかなどを具体的に示すことが重要です。準備を十分に行ったうえで、家賃交渉に臨みましょう。
 

出典

デジタル庁e-Gov法令検索 借地借家法 第3章 借家 第2節 建物賃貸借の効力(借賃増減請求権) 第三十二条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー