pluszero<5132>は、企業向けにAI(人工知能)活用の「プロジェクト型」ソリューションを提供するほか、AEI等に係る研究開発、「サービス型」ソリューションに戦略的投資を行っている。2024年10期第1四半期の売上構成は「プロジェクト型」が97%を占めており、これらで得た収益を継続的に「サービス型」やAEI関連研究に投資し続けている。自然言語処理・画像動画処理のほか、数値分析やシステム開発など企業からの幅広いニーズに対応しており、直近では生成AIに関連する案件も受注しているようだ。



第1四半期における全社売上に占める既存顧客からの売上割合は82%となっており、新規顧客が既存顧客として定着している。取引社数は前年同四半期比で15社増の69社で、プロジェクト数も同15件増、1社当たり売上高は390万円に堅調に増加している。受注の経路としては、企業からの引き合いが多く、既存取引先からの紹介等が中心となっているようだ。



24年10月期第1四半期の売上高は前年同期比34%増の2.68億円、営業利益は同41%増の0.61億円で着地した。営業利益率は23%と過去最高の水準で、営業利益目標達成ライン18%を大きく上回っている。上述したように、AI等の最新技術への関心が高まるなか、製造業や情報通信業顧客向けのソリューション提供を中心にプロジェクト型の契約件数等が堅調に増加したことが増収増益の要因となっている。通期の業績予想は売上高が前期比32%増の11.8億円、営業利益が同28%増の2.08億円を見込んでいる。



同社は、競合他社と比較して案件単価が安いほか、昨今採用が難しいとされるAIエンジニアにおいて、技術力が高い人材を安定的に採用・継続雇用している。技術力が高い120名程度が在籍しており、離職率も極めて低い環境にある。また、幅広く色んな人材を集めていることで、企業に対して幅広く複雑な提案ができている点も同社の強みとなっている。今後3年間の人材採用計画では、プロジェクト型の年成長率である20〜30%増をベースにサービス開発の状況等を踏まえて拡大していく方針も公表している。現時点では、第四世代AIの開発競合は存在しておらず、OpenAI等のLLMを開発している企業は競合には当たらない。今後も事業を成長させための投資を積極的に実施していく方向で、業績が好調推移となる中、さらなる成長が期待されよう。