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アユ釣りの解禁を間近に控えた5月22日〜23日の2日間、釣友と2人で長野県木曽郡開田高原にテンカラ釣行に出かけた。狙いはイワナとアマゴだ。

楽しく釣りをする為、地元情報を収集する。

横浜を9時に出発、午後3時過ぎに長野県は木曽福島に入った。気温は26℃と、連休前に来た時よりも高く、空気も乾燥していたが、今回の目的地である開田高原は標高が約1000mの場所にあり木曽福島と比べて気温が2〜3℃低い。ベストコンデションと言ってもいいかもしれない。午後4時過ぎにポイントに到着。木曽川の支流にあたる末川の中流域に入渓することにした。

入渓前に地元の農家の方に出会い声をかけてみたところ、朝晩の温度や降水の様子、クマの出没情報など貴重な話を聞けた。河原で水温を調べると15℃、ライズは見えないが川虫が飛んでいる。山菜の発育具合の写真と合わせて、知識はないが水生昆虫の写真も撮影してみた。よろしければ参考にしていただきたい。

入渓地点の広河原上流 ©釣りビジョン
入渓地点の広河原上流 ©釣りビジョン
広河原下流 ©釣りビジョン
広河原下流 ©釣りビジョン
1cm位の白系 ©釣りビジョン
1cm位の白系 ©釣りビジョン
3cm位の茶色系 ©釣りビジョン
3cm位の茶色系 ©釣りビジョン
伸びすぎたコゴミ ©釣りビジョン
伸びすぎたコゴミ ©釣りビジョン
収穫時期のノブキ ©釣りビジョン
収穫時期のノブキ ©釣りビジョン
もう少しの山ウド ©釣りビジョン
もう少しの山ウド ©釣りビジョン

ポイントを凝視…老テンカラ師は考えた!?

さて、いよいよ釣り開始。水深30cm未満のザラ瀬や落ち込み、トロ場などいくつかのポイントを釣り歩くがアタリはなし。次に目の前に現れたのは水深1m、長さにして200mほどの中瀬。その流れが終わるところから急に落ち込んでいる部分に〝沈み岩〟があったので、毛鉤を数回流してみたところ、突然「うるさい!」とばかりに銀色の大型魚体が見えた。アメマスみたいな体色だったが無念の空振り。続けて数回打ち込むが反応なし。

いったんポイントを休ませつつ、呼吸も落ち着かせようと少し戻って、浅い河原で様子を見る。薄暮になって毛鉤が見えづらくなったので、茶色系の毛鉤から羽根(ハックル)の小さい白色系の毛鉤に交換することにした。普段から一つのポイントで毛鉤を交換する事はしないのだが、これが的中したものだから釣りは止められない。

中瀬のポイント ©釣りビジョン
中瀬のポイント ©釣りビジョン

大型の鱒がヒット、アタリ連発だ!

数回、毛ばりを打ち込んでみたがアタリはなく、半分諦めモードになっていたが、水深30cmくらいだろうか。水中岩の手前側の浅い流れで「ガバッ」と水面が割れた。ここからが大変だった。毛鉤を喰ったターゲットは強い流れに乗って下流にグングン走り、止めようとすると反転。ビーンと糸が鳴り上流の落ち込みに入ろうと潜り、暴れまわる。簡単には手元に寄ってきてくれない。かつて、同じ水系で1.5号のハリスを切られた記憶が蘇り、焦る。

15m位河原を引きずり回されたのだが、どうにか浅場で取り込むことができたのは35cmのイワナだった。これがなんと、テンカラにおける自己記録更新サイズとなり、この水系での尺オーバーはこれで3本目。手答え十分の一匹を釣り上げることができた。

まだ魚が残っていそうだなと思い、上流に入った友人を呼んで中瀬部分を一緒に狙ってみると、すぐに26cmのイワナがヒットした。並んで入った友人も同型のイワナが連続ヒットするというゴールデンタイムの到来で、私が35cmを頭に25cmクラスのイワナ7匹、25cmほどのアマゴ1匹の計8匹。さらに友人は29cmを頭にイワナ6匹という良型揃いの釣果に大満足。気が付けば川虫が下流から上流に向かって、群れをなして飛んで行くシーンが見えて、フライ用語の〝マッチ・ザ・ハッチ〟とはこのことかと納得した。

やっと釣り上げたイワナ35cm ©釣りビジョン
やっと釣り上げたイワナ35cm ©釣りビジョン
友人のイワナ29cm ©釣りビジョン
友人のイワナ29cm ©釣りビジョン
ランディングシーン ©釣りビジョン
ランディングシーン ©釣りビジョン
このクラスが連発 ©釣りビジョン
このクラスが連発 ©釣りビジョン

好調は続き友人も大満足のイワナの釣果

翌朝は5時30分から周辺の支流に散歩入渓。水温12℃、気温14℃という条件の中、堰堤周りや水深のある場所で22cm位のイワナを私が3匹、友人が4匹釣り上げた。小さな沢なのでイワナも黄色が強い魚体だった。「普段より型がいいね」と友人。

朝食を済ませた後は、本流に入渓。私はトラブルに遭い休憩していたが、上流部に入渓した友人は好調に釣り上がり、昼食前までに24cmクラスのイワナを3匹と数を伸ばすも、アマゴが釣れないとぼやいていた。

里川はこの様な感じ ©釣りビジョン
里川はこの様な感じ ©釣りビジョン
小渓の魚は色が濃い ©釣りビジョン
小渓の魚は色が濃い ©釣りビジョン

前日と同じパターンに突入。

夕マヅメは前日に釣り残した場所に私と友人とで分かれて午入渓した。前日の様子から「アタリが出るのは5時頃かな」となんとなく考えていたが、入渓直後にさっそくアタリがあった。しかしこれはフッキングできず…。

それでも、4時30分過ぎに通称『赤壁』と我々が呼んでいる大きな淵で、流れ込みの真っ白な泡の中から、ギラっと光る魚体が見えた。「ヨイショ」と遅めのアワセを入れると竿がグイっと引き込まれ、前日同様に河原を引きずり回されてしまったものの、なんとか取り込んだのはなんと28cmもある良型アマゴだった。木曽地方では体高のあるアマゴのことを〝タナビラ〟と呼ぶが、それにふさわしい重量感のある個体だった。このタイミングから、川虫の群れが下流から上流に飛ぶようになっていた。前日と同じパターンだ。

調子に乗って釣り上がり、本流部で20cmクラスのアマゴとイワナを追加。帰り際に農業用水の引き込み場付近にある直径2mくらいの溜まり(普段はカエルもいない場所)で25cmのイワナを3匹追加し、ここまでですでに計7匹の釣果。意気揚々と軽い足取りで下流に向かい友人と合流すると、目の前で20cmクラスのアマゴを連続ヒットさせた。

そろそろ時間だから納竿しようかと考えていたのだが、なんと目の前でライズが始まってしまった…。友人が釣る様子を後ろから見ていると、5mを超える仕掛けを打ち込み、流し、アワセ、取り込みとコントロールしながら連発。トータル10匹以上のご機嫌な釣果だった。その後、やはりタイミングなのか私にも大型がヒット。今回は久しぶりに型揃いの釣行となった。

●参考までに今回のタックル情報
竿/テンカラ竿3.6M 6:4調子
ライン/フロロ4号レベルライン 3.6〜4.5m
ハリス/1号、1〜1.2m(矢引)
針/テンカラ用3号
※注)本文の釣り場の名称『』内は、私たちが記録を残すために独自につけた名称ですので、一般に言われているものではありません。

本流はスケールが大きい ©釣りビジョン
本流はスケールが大きい ©釣りビジョン
アマゴ28cm ©釣りビジョン
アマゴ28cm ©釣りビジョン
太目は本流ならでは ©釣りビジョン
太目は本流ならでは ©釣りビジョン
このサイズなら納得 ©釣りビジョン
このサイズなら納得 ©釣りビジョン
テンカラで釣るのは難しいけど、堰堤周りははずせません ©釣りビジョン
テンカラで釣るのは難しいけど、堰堤周りははずせません ©釣りビジョン
入漁証 ©釣りビジョン
入漁証 ©釣りビジョン

施設等情報

木曽川漁業協同組合
住所:長野県木曽郡木曽町福島4935-1
TEL:0264-22-2580 【公式】木曽川漁業協同組合 (長野)

施設等関連情報

遊漁券の料金:年券9000円(顔写真付き)、日釣り券2000円、現地3000円
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

著者:野口 渓壮子