福島県郡山市出身の堀越勝枝さん(62)は市内堂前町で父親が営んでいた印刷所を改装し、市街地のにぎわい創出を目指す店「ヒトヒガシ」を開店した。地元産の野菜を使った持ち帰りのカップスープを販売し、レンタルスペースも備えている。

 堀越さんは長年、介護福祉士として働いてきた。その経験から、健康で長生きするための食の大切さを実感。開店に向けて野菜ソムリエの資格を取得し、旬の野菜を生かしたスープ作りの腕を磨いた。店では地元農家の野菜を香ばしくグリルしたスパイシーカレースープ(税込み600円)を数量限定で販売。季節に合わせてレモンシフォンケーキやアイスコーヒーなども扱う。

 父親の植村敏夫さんは2021(令和3)年に亡くなるまで「日東印刷所」を営み、冊子やあいさつ状など幅広い印刷物を扱ってきた。堀越さんは地域に親しまれた敏夫さんをしのび、「日東」を訓読みして店名を「ヒトヒガシ」とした。店内には活版印刷の活字や印刷機を残し、「まちの印刷屋」の歴史を伝えている。

 レンタルスペースは作品展やワークショップ開催などでの活用を想定している。堀越さんは「地域の人々がつながる場にしたい」と思い描く。

 住所は郡山市堂前町19の3。営業時間は午前11時から午後4時まで。