福島県鏡石町のJR鏡石駅前で2月、10代の男女2人を軽乗用車ではねて死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた同町本町、無職、被告の女(72)の初公判は30日、地裁郡山支部(下山洋司裁判官)で開かれ、女は起訴内容を認めた。検察側は禁錮3年6月を求刑し、即日結審した。判決公判は13日午前11時から。
 検察側は冒頭陳述で、女が一時停止のある交差点でブレーキとアクセルを踏み間違え、時速46〜49キロで駅のロータリーに侵入して2人をはねたと述べた。論告では、女が踏み間違いに気付かないまま加速して落ち度のない2人をはねたと指摘し、「過失は重大」と断じた。
 被告人質問で女は、事故を起こした理由について「いくら考えても分からない」と答えた。被害者に対しては「尊い命を奪ってしまい、申し訳ない」などと謝罪した。
 弁護側は、女は違反歴がなく、日頃の運転に問題がなかったことや、二度と車の運転をしないと誓っていることから、執行猶予付きの判決を求めた。
 起訴状などによると、女は2月15日午後3時50分ごろ、鏡石駅前の交差点で埼玉県宮代町、大学1年の男性=当時(19)=をはねて死亡させたほか、神奈川県の大学1年女性の頭などに重傷を負わせたとしている。