西郷村の林に無許可で盛り土が造成された事件で、森林法違反(無許可開発、中止命令違反)の疑いで白河署に逮捕された会社役員の男(59)=茨城県つくば市=が、他人が所有する同村真船の民有林に無断で盛り土を造成したとみられることが24日、捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、逮捕容疑となった盛り土の面積は県の許可が必要な1ヘクタールを超え、約1・5ヘクタールに及んでいた。男は自らが所有する大部分の用地に加え、近接する一部の土地で所有者の承諾を得ずに盛り土を造成したという。
 男は茨城県で土砂処分を請け負う会社を経営し、栃木県の複数の市町から盛り土の撤去命令などの行政処分を受けた。このため、危険な盛り土を規制する条例の施行前だった本県を狙い、関東圏の県外から土砂を運び込んだとみられる。村によると、逮捕容疑となった盛り土の造成は2022年9月ごろに始まったという。
 同署などは、県内にあるほかの盛り土との関連を調べるとともに、男のほかにも関与した人物や業者がいるとみて捜査している。同署は24日、男を送検した。